2023 Fiscal Year Annual Research Report
中和活性のすぐれた抗体を取得のための変異を誘導したB細胞の抗体機能解析
Project/Area Number |
22K16372
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下岡 清美 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (50606697)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | B 細胞 / 抗体 / 新型コロナウイルス / 中和抗体 / 抗体遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、これまで極めて短期間に単一B細胞から抗体遺伝子を取得して特異性評価の解析まで10日程度で行える画期的な方法を確立してきた。 結合力の強い抗体は、重症化した長期間の抗原暴露にさらされた検体から取得され、抗体の可変領域に多くの遺伝子突然変異が生じていた。体内では、抗原に繰り返しさらされる事で抗体遺伝子の突然変異が蓄積し、結合力の高い抗体が生み出される。一方で、これらの現象は、体外では再現されておらず、特にヒトのB細胞から有用な抗体の取得における課題であった。本研究では、これまでの動物免疫や患者に依存したB細胞由来ではなく、体外でヒトの末梢血を特殊な条件下で培養することで抗体遺伝子に変異を誘導し、有効な抗体が取得できないか検証する。 本件では、まず、単一B細胞からの遺伝子取得方法を確立しているため、人工胚中心B細胞株の作製方法の検討を行った。末梢血B細胞を人工の胚中心B細胞株にするために、BcL6およびBcl-xLを2Aでつないだレトロウイルスベクターを作製した。また、B細胞の培養における共刺激分子として、CD40Lを発現したフィーダー細胞OP-9の作製も行った。 これらの材料を元に、ヒト末梢血のB細胞を2日程度刺激培養し、細胞を活性化させてBcL6およびBcl-xLの遺伝子を細胞に導入を検討した。その後、CD40Lフィーダー細胞およびIL-21で2週間ほど増殖させる。また、培養中に抗原を加えなどの抗原特異的なB細胞の増殖条件を検討する予定であった。その後、標的となるタンパク質とB細胞マーカであるCD19陽性、IgD陰性、単一B細胞の取得を目指してきた。
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[Journal Article] Structural basis of spike RBM-specific human antibodies counteracting broad SARS-CoV-2 variants2023
Author(s)
Shitaoka K, Higashiura A, Kawano Y, Yamamoto A, Mizoguchi Y, Hashiguchi T, Nishimichi N, Huang S, Ito A, Ohki S, Kanda M, Taniguchi T, Yoshizato R, Azuma H, Kitajima Y, Yokosaki Y, Okada S, Sakaguchi T, Yasuda T.
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Journal Title
Communications biology
Volume: 395
Pages: 6
DOI
Peer Reviewed / Open Access