2023 Fiscal Year Research-status Report
肺非結核性抗酸菌症の新規治療法開発に向けた組織常在型リンパ球による予防効果の検証
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22K16373
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩永 直樹 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40912499)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺非結核性抗酸菌症 / 組織常在型リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺非結核性抗酸菌症の疾病負荷は経年的に増加傾向であり、難治例・治療終了後の再発例も多いことから、新規治療・予防法の開発は喫緊の課題である。近年の感染免疫学において、組織常在型リンパ球の強い免疫惹起能及び長期にわたる予防効果が脚光を浴びており、非結核性抗酸菌症における有用性を検証することを目的とする。Mycobacterium aviumの死菌を作成し、1週間間隔で皮下投与及び経気道投与それぞれでプライミング、ブースト投与を行い、更に2週間後に同菌で感染させた後、経時的に、肺内生菌数の経過等をナイーブマウスと比較した。感染2週間後の肺内生菌数を比較すると、ナイーブマウスや死菌の経皮投与群と比較して、経気道投与群で有意に肺内生菌数の減少傾向を認めた。肺内CD4 cellsの増多傾向、特に組織常在型リンパ球の肺内集族が認められた。同じ系の感染直前の肺内炎症細胞をflow cytometryで解析すると、有意な好中球数の減少及びマクロファージ数の増多、TNFαの発現上昇を認め、感染防御への関与が示唆された。肺結核症における組織常在型リンパ球関する既報では、type17ヘルパーT細胞の関与が報告されており、IL-22の病態関与が示唆されており、当該マウスモデルにIL-22による治療実験(経静脈投与、経腹腔投与、経気道投与)を施行し、検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
死菌を経気道投与することで、肺内特異的に組織常在型リンパ球やマクロファージが誘導され、TNFαの産生が誘導することが明らかになったが、そのメカニズムの検証を進めていく必要がある。当該マウスモデルにIL-22による治療実験(経静脈投与、経腹腔投与、経気道投与)をいくつかの条件下で検証中であり、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
死菌ワクチン投与の効果を最大化するために、経気道投与群と経皮投与群の比較において、経時的な遺伝子変化を網羅的に検証する予定である。本法により組織常在型リンパ球の活性化維持に有用な遺伝子を同定し、その活性化維持を目的とした治療実験を検討する。また組織常在型リンパ球の養子免疫療法の効果について検証する予定である。
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Causes of Carryover |
肺非結核性抗酸菌症において死菌による組織常在型リンパ球の誘導が感染防御に有用であることを実証できたが、その機序として、type17免疫に重要なIL-22の関与を想定し、投与実験を行ったが有意な改善を認めることができなかった。1回の感染実験に3ヶ月程の時間を要するため、軌道修正に時間を要している。現在進行中であるが、経時的に肺組織常在型リンパ球の推移を確認し、RNAseqで遺伝子発現の推移を検討している。高額な費用が必要になるため、十分な次年度使用額が必要となっている。
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