2022 Fiscal Year Research-status Report
膵島と腺房細胞の相互作用によるGLP-1を介した膵β細胞増殖制御機構の解析
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22K16400
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
京原 麻由 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (20828545)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | GLP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、GLP-1による膵β細胞増殖経路の同定を目的に、GLP-1受容体作動薬リラグルチドを添加し培養したマウス膵島の定量的プロテオミクス解析を行い、リラグルチドにより膵島で外分泌酵素Amy1や、膵腺房細胞に発現し膵β細胞へ作用する可能性が報告される分泌因子Reg1の発現上昇を見出した。単離膵島と膵腺房細胞の共培養系を確立し、リラグルチド添加により膵島への腺房細胞の付着が増加し、膵島においてReg1およびP-CadやCx26等の細胞接着因子の発現が上昇した。Reg1欠損マウスではリラグルチド皮下注による膵β細胞増殖促進を認めず、リラグルチド皮下注後の野生型マウスに比較して有意に膵β細胞増殖が低下した。野生型マウス (WT) 膵島とWT腺房細胞の共培養、およびReg1欠損マウス (KO) 膵島とWT腺房細胞の共培養ではリラグルチドにより膵β細胞増殖は促進した。一方、WT膵島とKO腺房細胞の共培養ではリラグルチドによる膵β細胞増殖促進を認めなかった。リコンビナントReg1添加膵島でも膵β細胞増殖は促進し、リラグルチド追加による相加作用は認めなかった。 以上より、GLP-1は膵島に作用し、接着分子の発現誘導により膵島と腺房細胞の接着を促進し、腺房細胞由来のReg1の発現誘導により膵β細胞増殖を促進する可能性があり、GLP-1による膵β細胞増殖作用において、膵島と腺房細胞の相互作用による、Reg1を介した新規経路の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、GLP-1による膵β細胞増殖作用における腺房細胞由来のReg1の関与の解析に関してリコンビナントReg1を用いた解析、また、GLP-1受容体作動薬であるExcendin-4を用いた解析を行った。おおむね研究実施計画通りであり、上記とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究実施計画通りに、GLP-1による膵β細胞増殖作用における腺房細胞由来のReg1の関与の解析、GLP-1受容体作動薬Excendin-4を介した膵島と腺房細胞の相互作用の解析を行っていく。
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