2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞内代謝がもたらすエピゲノムによるベージュ脂肪細胞の分化・熱産生制御機構
Project/Area Number |
22K16415
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
長野 学 広島大学, 病院(医), 助教 (40838786)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ベージュ脂肪細胞 / エピゲノム / ヒストンアセチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、ベージュ脂肪細胞の分化誘導や熱産生遺伝子発現活性化に重要な役割を果たすと報告されているPRDM16複合体が、転写活性化に重要な役割を果たすとされるエピゲノム ヒストンアセチル化に関わっていると考え、LC-MS/MSを用いた網羅的プロテオーム解析を実施した。その結果、新規構成因子としてアセチルCoA産生酵素を同定した。そこで、その新規因子が熱産生遺伝子発現活性化や、ベージュ脂肪細胞の分化誘導に与える影響をin vitro、in vivoの両面から検証している。 in vitroでの影響について、新規同定因子が核内のアセチルCoAとヒストンアセチル化に与える影響を検証した。ベージュ脂肪細胞から核を単離し、アセチルCoA産生に必要な基質を投与すると、野生型では基質の投与によって増強するヒストンのアセチル化が、新規同定因子ノックダウン群では低下していた。 in vivoでの影響について、脂肪組織特異的に新規同定因子ノックアウトマウスを作製する目的で、Adipoq-CreERT2マウスと新規同定因子floxマウスとを交配し、タモキシフェンを投与することでノックアウト可能となるモデルマウスを作製した。ノックアウトマウスでは対照群と比較し、急激な寒冷曝露に対する耐性が低下していた。また、ノックアウトマウスでは褐色脂肪組織において熱産生遺伝子群の発現が有意に低下していた。 また、ヒトでの影響を検証する目的で、高度肥満症患者を対象に実施している腹腔鏡下スリーブ状胃切除術実施時に皮下脂肪組織サンプルを採取し、目下集積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クロマチン免疫沈降実験に用いていた抗体で、S/N比が想定以上に低下した影響で、新たに新規同定因子にタグを付加した蛋白発現細胞の作製から開始した。しかし、作製細胞の脂肪細胞への分化度が低く、新たに不死化前駆脂肪細胞から作製し直しているため遅れが発生している。 また、慢性寒冷刺激実験を再検したところ、刺激途中に絶命するマウスが現れたため、コホート作製と寒冷条件の見直しを行っている影響で遅れが発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
高い分化能をもった細胞を作製でき次第、予定しているクロマチン免疫沈降実験を遂行するとともに、タグ付き蛋白導入細胞でタグ抗体によるクロマチン免疫沈降実験を実施する。 また、vivoにおいては慢性寒冷刺激条件を改めて設定し、再実験を行う。並行して、高脂肪食負荷による食事誘導性肥満モデルにおける、各種代謝パラメータを検証する実験を行う。 また、ヒトサンプルの集積を進め、15-20サンプル集まった段階でmRNA抽出と解析を開始する。
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Causes of Carryover |
想定より遅れているため、次年度に使用することとした。次年度は遅れているクロマチン免疫沈降、マウス実験に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 熱産生脂肪細胞機能制御による肥満症治療応用への可能性2022
Author(s)
大野晴也, 長野学, 江草玄太郎, 佐川純司, 新上寛子, 山本祐太郎, 姫野菜津美, 馬場隆太 , 小武家和博, 沖健司, 米田真康
Organizer
第43回日本肥満学会・第40回日本肥満症治療学会学術集会
Invited
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