2023 Fiscal Year Research-status Report
細胞内代謝がもたらすエピゲノムによるベージュ脂肪細胞の分化・熱産生制御機構
Project/Area Number |
22K16415
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
長野 学 広島大学, 病院(医), 助教 (40838786)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脂肪組織 / 熱産生 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
タモキシフェン誘導型脂肪組織特異的標的遺伝子ノックアウトマウスをCre-loxPシステムとタモキシフェン投与によって作製し得た。 上記ノックアウトマウスを4℃の急性寒冷曝露刺激実験に供すると対照群と比較し明らかに直腸温は低下し、急性寒冷耐性が低下していることを確認し得た。 続いて同マウスを10℃の比較的穏やかな寒冷環境下に暴露し1週間後にsacrifice、肩甲骨間褐色脂肪組織、鼠径部白色脂肪組織を採取した。遺伝子発現解析をqPCRによって実施したところ、対照群と比較し熱産生遺伝子の発現は上記組織において明らかな有意差を認めなかった。 Histone acetylationに関して、標的遺伝子をノックダウンしたベージュ脂肪細胞から核を単離し、アセチル化に必要な化合物と共培養した後にヒストンを抽出し、アセチル化リジン抗体によるwestern blottingを実施した。ノックダウン群では対照群と比較しアセチル化低下を確認し得た。現在、再現性を確認中である。さらに、同位元素を用いた実験についても準備を進め、予備実験を実施している。 ChIP-seqについては、検体を作製済みで、Runに向けてlibrary調整を実施している。 ヒト検体については目下収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定に比べ、該当手術件数の減少に伴いヒト検体の収集が遅れている。また、上記の通り緩やかな寒冷刺激条件の設定が難しく、適切な温度設定、暴露期間を現在調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
適切な温度条件を引き続き検証し、in vivoでの解析を進める。 ヒト検体については引き続き収集するとともに、publicなRNA-seqデータセット等を活用しヒト脂肪組織における標的遺伝子発現について解析を進める。
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Causes of Carryover |
前述の通り、様々な条件が重なって研究進捗に遅延が生じているため、繰越が生じた。 vivoでの表現型を確認後、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子発現解析に使用する予定である。
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Research Products
(14 results)