2023 Fiscal Year Annual Research Report
To clarify the autoreactive T cells in Graves' Disease using single cell analysis
Project/Area Number |
22K16417
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
橋本 善隆 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (70806140)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バセドウ病 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺自己免疫疾患であるバセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体を持続的に刺激する自己抗体が産生されることが病態の中核であると考えられているが、バセドウ病の病態形成の主体である自己免疫反応を標的とした治療法は存在しない。本課題ではTSH受容体由来抗原ペプチドに反応する濾胞ヘルパーT細胞を同定し、その自己反応性T細胞受容体(TCR)配列発現遺伝子及び細胞表面マーカーを明らかにすることで、自己免疫反応自体を制御し、バセドウ病を寛解に至らせる新規治療を開発することを目的として研究を実施した。 バセドウ病に対して甲状腺摘出術患者より甲状腺検体および末梢血単核球の採取した33627細胞を解析対象とした。UMAP解析にて次元削減を実施したところ、12469細胞がT細胞と同定された。同定されたT細胞を抽出し再度次元削減を行い、メモリー CD4 T細胞、メモリー CD8 T細胞、ナイーブ CD4 T細胞、ナイーブ CD8 T細胞および制御性T細胞を同定した。TSH受容体であるLGR3のオーバーラップペプチドで刺激した群ではコントロール群と比較してナイーブ CD4 T細胞でGZMK、制御性T細胞でGNLY,GZMB,GZMH,IL4,IL32,IFNγ、メモリー CD4 T細胞ではIL4、ナイーブ CD8 T細胞ではIL4が有意に高値となった。一方でメモリー CD8 T細胞でIL32、制御性T細胞でIL6が有意に低値となった。TCR/BCRレパトア解析では全細胞、メモリー CD4 T細胞、メモリー CD8 T細胞、制御性T細胞にておいて、T細胞受容体αではTRAV29DV5およびTRAJ42のペアが、またT細胞受容体βではTRBV10-3およびTRBJ2-1のペアが頻繁に観察された。今回の研究にて抗原刺激で反応する自己反応性T細胞を明らかにすることができた。
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