2022 Fiscal Year Research-status Report
骨髄細胞のコレステロール合成抑制によるインスリン抵抗性と脂肪肝の改善機序の解明
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22K16430
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
武井 暁一 自治医科大学, 医学部, 助教 (20721575)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / 肥満 / コレステロール合成経路 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cre-loxPシステムを用いて、骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスを作製した。通常食で飼育した8週齢では、コントロールと比較し体重および空腹時血糖に差はなかった。 DIOとするため、高脂肪食で8週齢から14週間にわたり高脂肪食で飼育した。骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスはコントロールと比較し、体重推移および空腹時血糖に差はなかった。ブドウ糖負荷試験を施行したが、2群間の血糖推移に差はなかった。インスリン負荷試験に関しては、インスリンの投与量などの条件を検討中である。 DIOにおける組織学的評価を行うため、肝臓や精巣上体脂肪組織のパラフィンブロックを作製しつつある。今後HE染色やマクロファージマーカーであるF4/80などを用いた免疫染色を検討している
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
診療業務、医局関連業務により研究に割く時間が当初の想定より限られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
① ステロール経路の寄与の評価:骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスのDIOにおけるインスリン抵抗性を調べる。さらに脂肪組織へのマクロファージ集積、脂肪肝を解析しM-KOマウスで認めた表現型と比較する。 ② マクロファージの遊走能の解析:コントロール、M-KOマウスおよび骨髄細胞特異的Fdft1欠損マウスから、チオグリコレートを注入後に回収されるチオグリコレート誘導性マクロファージ、骨髄由来マクロファージ、精巣上体脂肪組織から磁性ビーズで回収される脂肪組織マクロファージのそれぞれ3種類のマクロファージを調整する。細胞遊走に関わる蛋白のイソプレニル化の解析や脂質ラフトの解析を検討している。 ③ 脂肪肝改善作用の解析:脂肪肝の形成に関連する遺伝子発現をRT-qPCRで評価する。肝臓全体での遺伝子発現に変化がみられる場合、肝臓をコラゲナーゼ処理し、実質細胞と非実質細胞に分離し、遺伝子発現を調べることでどちらの細胞群の変化なのかを調べる。さらに非実質細胞群から磁性ビーズを用いて、肝臓マクロファージであるKupffer 細胞を単離する。さらに肝細胞とKupffer 細胞の共培養方法の確立を目指す。そして骨髄細胞特異的Hmgcr欠損マウス由来のKupffer 細胞が肝細胞の脂質代謝にどう影響するか、脂肪酸合成、脂肪分解、β酸化、リポ蛋白分泌に関する遺伝子発現を調べる。
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Causes of Carryover |
十分な研究ができなかったため。 遺伝子組み換え動物の作製・維持、特殊飼料、組織学的評価、遺伝子発現解析、培養細胞を用いた実験、サイトカイン定量、ウエスタンブロット等を今後計画しており、残金にあてる予定である。
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