2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K16437
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 真実 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70746362)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 副甲状腺移植 / 副甲状腺 / 膵島移植 / 膵島 / 5-ALA |
Outline of Annual Research Achievements |
副甲状腺ホルモン(PTH)が0になるモデルの作製に苦慮していたが、5-ALA(γアミノレブリン酸)を腹腔内投与し、励起光照射にて副甲状腺が発光するとの報告を参考にし、副甲状腺を同定できた。同定した副甲状腺を全摘後にPTHが完全に0になるモデルを作製できた。また5-ALAの影響も考慮し、5-ALA投与群と非投与群とを90日間観察し、PTHの分泌に差がないことを確認した。移植実験では、In Vivoで、PTH0モデルの大腿筋内へ自家移植を行った群と自家移植なしの群とを比較した。移植群ではPTHが緩徐に上昇した。非移植群でPTHの再上昇を認めたものはいなかった。In Vitroでは、副甲状腺と膵島の新生血管誘導能を観察した。副甲状腺と膵島をDeviceに留置し、周囲に播種したヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)からの新生血管の形成を経時的に比較検討した。膵島では新生血管の増生を経時的に確認することができたが、副甲状腺では増生を確認できなかった。血管新生を認めなかったため、摘出した副甲状腺細切当日と7日目でCalceinAMおよびPIでの二重染色を行い、組織のViabilityを評価した。その結果、培養前後で副甲状腺組織がViableであることを確認した。副甲状腺を100-250μmに切断し、膵島に合わせたサイズでかつDevice内に納められる最適なサイズに設定し、再検討中である。 今後は、vivoではサンプル数を増やし比較検討する。また筋肉内に単純に移植した群と、細胞培養用のゼラチン繊維基材の使用や細胞移植で生着率が高いといわれる腎皮膜下への移植などで移植環境を向上させ、移植効率が上がるかを検討する。Vitroでは最適化した副甲状腺組織を用いて、血管新生誘導能を観察したり、マトリゲルを用いて培養環境を向上させた上で比較検討を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
副甲状腺ホルモン(PTH)が0になるモデルの作製に苦慮していたが、5-ALA(γアミノレブリン酸)を腹腔内投与し、励起光照射にて副甲状腺が発光するとの報告を参考にし、同方法で副甲状腺を同定することに成功した。PTHの測定時間は摘出後15分値と設定し、副甲状腺摘出後にPTHが完全に0になるモデルを作製できた。また、5-ALAの副甲状腺や移植実験への影響も考慮し、5-ALA投与群と非投与群とを90日間観察し、PTHの分泌に差がないことを確認した。続いて移植実験に移った。In Vivoで、PTH0モデルの大腿筋内へ自家移植を行った群と、自家移植なしの群とを比較した。移植群では、1ヶ月でPTH11.83(n=10)、2ヶ月で29.81(n=5)、3ヶ月で42.3(n=2) と緩徐に上昇を認めた。現在手術症例23例で、28日までサンプル採取可能は20例、56日までは17例であり、90日までの観察を継続しPTH測定を予定している。現時点での移植群の術後生存日数の平均は69.8日で中央値は62日であった。非移植群の術後生存日数の平均は56.5日で、中央値は55日であった。In Vitroでは、副甲状腺と膵島の新生血管誘導能を観察した。副甲状腺と膵島をDeviceに留置し、周囲に播種したヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)からの新生血管の形成を経時的に比較検討した。膵島では新生血管の増生を経時的に確認することができたが、副甲状腺では増生を確認できなかった。血管新生を認めなかったため、摘出した副甲状腺細切当日と7日目でCalceinAMおよびPIでの二重染色を行い、組織のViabilityを評価した。その結果、培養前後で副甲状腺組織がViableであることを確認した。副甲状腺を100-250μmに切断し、膵島に合わせたサイズでかつDevice内に納められる最適なサイズに設定し、再検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、vivoでは、サンプル数を増やし、移植群と非移植群とさらに比較していく。また単純に筋肉内に移植した群と、細胞培養用のゼラチン繊維基材の使用や、一般的に細胞移植で生着率が高いといわれる腎皮膜下への移植などで移植環境を向上させ、移植効率が上がるかを検討する。 Vitroでは、最適化した副甲状腺組織を用いて、血管新生誘導能を観察したり、マトリゲルを用いて培養環境を向上させたうえで、比較検討を続ける。
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Causes of Carryover |
当初は、正常副甲状腺の生着が良好だと想定していたが、実験をしてみると、生着が膵島よりも悪いもしくは生着していない可能性もあるという結果となった。そのため、副甲状腺が生着しているかどうかの確認や、その機序を様々な手法で検討しており、次年度も物品費が必要である。また、現時点で解明できた点を、次年度の学会で発表し、論文化していく予定であり、学会旅費や、論文校正費等に使用する予定である。
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