2022 Fiscal Year Research-status Report
MIBG内照射によるアブスコパル効果を用いた難治性神経芽腫に対する新治療戦略創出
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22K16441
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 梨絵 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90881045)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / MIBG内照射 / アブスコパル効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はMIBG内照射前後の神経芽腫患者および神経芽腫モデルマウスを用いてMIBG内照射による抗腫瘍免疫応答を解析することで、腫瘍の免疫チェックポイント応答によるアブ スコパル効果の回避機序を明らかにして、その知見を基にMIBG内照射のより効果的な使用方法(免疫療法との併用など)を確立することである。 今年度は臨床検討としては、MIBG内照射を行った6名の神経芽腫患者の治療前後の免疫学的解析を行った。具体的にはフローサイトメトリーを用いてMIBG内照射前後の末梢血細胞亜軍の活性化マーカーや免疫抑制補助シグナル受容体であるPD-1の発現を解析した。MIBG内照射後にリンパ球活性化マーカーであるHLA-DRやメモリーT細胞のマーカーであるCD45ROの発現増強やCD14+HLA-DR+CD16+の炎症性単球の増加を認め、T細胞のPD-1発現増強も認めた。これらよりMIBG内照射により患者体内で現象として免疫学的賦活化が起こっていることが示唆された。 詳細な免疫学的機序を解明するために今年度は細胞株を用いたin vitro実験および神経芽腫モデルマウスの準備を行った。具体的には神経芽腫細胞株であるSH-SY5YやIMR-32の培養を開始し、それらのGD2やPD-L1発現をフローサイトメトリーを用いて評価した。予備実験としてX線照射を行った際にこれらの発現が増強するか、それらを検出できるかを検討した。また、神経芽腫モデルマウスとしてTh-MYCNマウスの遺伝子組み換え実験手続きを行い購入待ちの状態である。来年度はこの細胞株およびTh-MYCNマウスにMIBG内照射を行い、内照射後の免疫学的解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年4月に24時間救急病院への異動という環境変化により研究できる時間が大幅に減り予定していた研究スケジュールよりやや遅れたが、新たな研究体制を整えることができ来年度は効率よく研究をすすめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度予備実験を行った神経芽腫細胞株、および準備している神経芽腫マウスモデルにMIBG内照射を行い、病理学的および免疫学的解析を行う。
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Causes of Carryover |
24時間救急病院に異動という環境変化により研究体制を整えるのに時間がかかったため、本年度に使用する額が予定より少なかったが、体制が整ったために来年度は細胞や神経芽腫マウス購入、抗体やサイトカイン測定ELISA物品等を購入予定である。
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