2023 Fiscal Year Research-status Report
MIBG内照射によるアブスコパル効果を用いた難治性神経芽腫に対する新治療戦略創出
Project/Area Number |
22K16441
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 梨絵 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90881045)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 神経芽腫 / アブスコパル効果 / I-131MIBG内照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はMIBG内照射前後の神経芽腫患者および神経芽腫モデルマウスを用いてMIBG内照射による抗腫瘍免疫応答を解析することで、腫瘍の免疫チェックポ イント応答によるアブ スコパル効果の回避機序を明らかにして、その知見を基にMIBG内照射のより効果的な使用方法(免疫療法との併用など)を確立することで ある。 今年度は神経芽腫モデルマウスであるTh-MYNCマウスを購入し繁殖に成功、PCR検査にてhemiマウスの同定を行い実験に使用した。I-131MIBG内照射を行う場合、RIの取扱やひばくの問題から解析が限定されてしまうために、まず予備実験として神経芽腫モデルマウスに放射線照射(TBI 2Gy)を行い、脾臓および腫瘍細胞における細胞解析をフローサイトメトリー(FCM)を用いて行った。通常腫瘍内にはリンパ球はほとんど存在しないが放射線照射後に有意なリンパ球浸潤を認めた。また放射線照射後に腫瘍のGD2発現増強(MFIの増加)を認めた。来年度は照射後の経時的な変化およびリンパ球の活性化マーカーなどの検討、マクロファージやDCに関する検討も行う予定である。また凍結保存した照射後の血清を用いてサイトカインアレイを用いて検討を行う。これらの所見をもとに、神経芽腫モデルマウスに放射線照射とGD2抗体の併用、PD-1/PD-L1抗体の併用などでアブスコパル効果を増強できるか検討する。最後に神経芽腫モデルマウスにI-131MIBG内照射を行い同様の所見が得られるかを検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経芽腫モデルマウスをうまく確立できたために予定していた実験が順調にすすんでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
神経芽腫モデルマウスにおいて照射後に腫瘍のGD2発現増強およびリンパ球浸潤を認めたために、GD2抗体をどのタイミングで併用すればそれらの効果が増強するか、またPD-1/PD-L1の発現やマクロファージ、DCの解析をすすめ、PD-1/PD-L1の阻害によりそれらの効果が増強するかを検討する。同様のことがI-131MIBG内照射でも確認できるか検討する。
|
Causes of Carryover |
本年度は予備実験として神経芽腫マウスに放射線照射を用いた場合の腫瘍内の細胞解析をFCMの解析のみで検討したため物品購入費が予定よりも少なくなった。今年度の検討をもとに来年度は金額が高いGD2抗体やPD-1抗体などを購入し検討する予定である。
|