2023 Fiscal Year Annual Research Report
Dysbiosisと分子異常に着目した大腸de novo発癌の解明と治療への応用
Project/Area Number |
22K16447
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 公二 九州大学, 大学病院, 助教 (90909582)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / de novo癌 / 腸内細菌叢 / 家族性大腸線種症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度報告した通り、臨床的にde novo癌の確定診断が困難な場合が多く検体の蓄積が進まなかったため、一旦方向転換しFAP由来大腸癌の発癌や炎症性腸疾患(IBD)患者における発癌経路解明などへの計画を変更した。すでにmicrobiome解析に提出しているde novo癌、FAP、IBD由来癌サンプルについては、現時点で臨床的因子含めて解析を行っている。 またシングルセル(sc)RNA解析について、FAP患者においての発癌過程における、癌微少環境・免疫細胞の解析を行い、後述の通り学会発表および2024年に関連論文を報告した(Cancer Lett 2024)。 FAP由来癌に対し手術を行った4人の患者の正常部、腺腫部、癌部より13検体採取し、scRNA-seqを施行した。クラスタリングの結果、腺腫部、癌部と発癌が進行するに従って、myeloid cellの割合が増加した。癌部ではstromal cellの割合が増加していた。Myeloid cellにおいては7個のサブクラスターが得られ、PMN-MDSCの割合は腺腫部でわずかに、癌部で著明に増加していた。Fibroblast、Tcellについても詳細に検討した。腺腫においてMDSCやTregが増加はしており、発癌前段階から免疫回避が始まっている可能性が示唆された。通常型大腸癌との比較も行い、FAP由来癌の免疫抑制的微小環境は、よりMDSCやfibroblastに依存していることが明らかとなった。FAP由来癌と通常型大腸癌では、微小環境の構成が異なっており、違いの一部にAPC遺伝子の生殖細胞系列変異が関与している可能性がある(Cancer Lett 2024)。
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Research Products
(3 results)