2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of neutrophil extracellular traps in breast cancer carcinogenesis
Project/Area Number |
22K16450
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
芝 聡美 自治医科大学, 医学部, 助教 (70721603)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳癌 / 糖尿病 / メトホルミン / 免疫学的腫瘍微小環境 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 腫瘍関連マクロファージ / 術前化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の疫学的調査の結果から、メトホルミンは様々な癌の発生や進行を抑制する効果があることが示唆されている。そこで、2006年から2020年、当科にて手術を受けた2型糖尿病を有する乳がん患者177名におけるメトホルミンの臨床効果を評価した。177人の乳がん患者を対象にその予後を検討すると、観察期間中央値67か月の時点で、メトホルミン非服用患者128名中17名(13.3%)に再発を認めた。内訳は、肺に9例、骨に5例、肝臓に4例、脳に2例リンパ節他に7例(重複を含む)であった。一方、手術前または後にメトホルミンを投与された患者49名では肺と肝臓に1例づつ、計2名(4.1%)に再発を認めたのみで、メトホルミンの服用が無再発生存期間(RFS)の延長につながっている事実が確認された。術前化学療法を受けた40名でその組織学的奏功を検討すると、メトホルミン服用患者で有意に完全消失率(pCR率)が高かった。(4/31 vs 5/9, p=0.016) 傾向スコアマッチングで抽出した20例、23例の切除標本を用いて、腫瘍関連マクロファージ(TAM)と腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の頻度を多重免疫組織化学(IHC)によって評価したところ、メトホルミン服用患者では非服用患者と比較して、CD68(+)TAM、特にCD68(+)CD163(+)M2型のTAMの密度が有意に低下し(p < 0.01)、CD3(+)およびCD8(+)TIL密度が高く、CD8(+)/CD3(+) 比も有意に高かった(p < 0.01)。 本研究結果は、メトホルミンが免疫学的腫瘍微小環境を調節する役割があり、これが糖尿病合併乳がん患者の転帰改善に寄与している可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプルサイズは少ないが、乳癌患者においてもメトホルミンの服用が予後や術前化学療法の奏功を相関している可能性を示唆する事実が判明した。また、免疫染色にてメトホルミンが免疫学的腫瘍微小環境を調節することを示唆するデータも得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の追加と予後調査の継続。免疫染色では、腫瘍関連好中球について追加検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通り予算の執行を行ってたが、消耗品である抗体、免疫染色用試薬が予定していたより安価で購入できたため、残金については、Journal of Breast Cancer Society論文投稿料や好中球の浸潤様式の解析用の試薬の購入費として次年度使用予定である。
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