2022 Fiscal Year Research-status Report
予後不良の肝内胆管癌に制御性T細胞を誘導する新規腫瘍抗原の探索
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22K16489
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 一博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60824761)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝内胆管癌 / 抑制性免疫環境 / 腫瘍抗原 / MUC1 / BIRC5 / CSPG4 / MDK |
Outline of Annual Research Achievements |
肝内胆管癌は、根治切除後も再発率の高い難治性腫瘍である。その腫瘍の進展や予後には免疫環境の関与が指摘されているが、希少癌のため、解析が進んでいない。これまでの検討で、我々は、蓄積されたサンプルから制御性T細胞が肝内胆管癌の進展を促進することを明らかにしたが、制御性T細胞がどのように肝内胆管癌組織に誘導されるのかについては、い まだ未解明のままである。今回、我々は、制御性T細胞が抗原を認識するメカニズムに着目し、バイオインフォマティックアプローチを用いて、制御性T細胞が認識する腫瘍抗原4つを絞り込んだ。これら4つの遺伝子発現を解析するべく、RT-qPCRを進めている。このうち、MUC1とBIRC5の遺伝子発現については発現解析をほぼ完了し、臨床病理学的因子や制御性T細胞との関連について解析中である。CSPG4とMDKについては、細胞株から抽出したRNAを基に作成したcDNAでは、PCR産物の増幅はみられたものの、FFPEサンプルでの解析において再現性を確保するべく、プライマーをより精緻なものへと再設計を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子発現のprimer設計で、再現性を担保すること難渋しているが、すでに対象遺伝子の内、2つの遺伝子の遺伝子発現解析は終了しており、臨床病理学的因子との解析も進んでいる。また、そのうちの一つは制御性T細胞との関連性を示せており、残り2つの候補の遺伝子発現解析が待たれるところである。そのため、研究の進捗はやや遅れていると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
4つの遺伝子の内の残り2遺伝子の発現解析を進め、臨床病理学的因子と制御性T細胞との関連を明らかにするとともに、それぞれの腫瘍抗原としての機能について患者検体を用いて解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度では、主にRT-qPCRの解析のみに直接経費がかかることとなった。当初の予定では、患者血液からリンパ球を単離することも想定していたが、研究の進捗がやや遅れているため次年度使用額が生じた。次年度は、RT-qPCRの解析の残りだけでなく、患者血液から単離したリンパ球を用いて、免疫原性の確認および核種を用いた解析を予定しており、次年度使用額と翌年度分として請求した助成金を合わせて使用させて頂きたい。
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