2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of new therapeutic strategy for treatment-resistant colorectal cancer by CRISPR genome-wide analysis
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22K16492
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鉾之原 健太郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40876520)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CRISPR-Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
①CRISPR-Cas9を用いて一度に多くの遺伝子編集を行うためには、レンチウイルス由来のsgRNAライブラリを用いることが重要である(ゲノムワイド編集)。当教室ではこれまで遺伝子編集の実績がなく、まずはCRISPR-Cas9での遺伝子編集実験を導入するにあたって、癌細胞培養ができる環境を整備すると共に、レンチウイルスを用いた実験が行えるような実験室が必要であった。そのために、今回共同研究することとなった基礎教室と連携し、P2実験室の環境を整備した。 ②実際に遺伝子編集研究を導入する前に、ゲノム編集ハンズオントレーニングに参加した(Thermo Fisher SCIENTIFIC)。CRISPR-Cas9を用いた3つの実験系(Plasmid、RNA、Protein)を用いての遺伝子編集の方法と、ノックアウトする遺伝子を決定するsgRNAのデザイン方法を学んだ。その後、HEK293細胞に対して、Plasmidベクターを用いてHPRT1遺伝子をノックアウトさせることに成功した。また、GFP遺伝子を導入したHEK293細胞に対し、CRISPR-Cas9を用いて1塩基挿入(ノックイン)を惹き起こし、BFP遺伝子に変異させることに成功した。 ③2023年2月に遺伝子組換え新規実験申請の許可を得た。当教室で行う癌細胞を用いた遺伝子編集実験の導入として、レンチウイルスを使用してVEGFA遺伝子をノックアウトさせるカスタムsgRNAを現在作成中である。作成したsgRNAを用いて、当教室で所有する大腸癌細胞(HCT116等)のVEGFA遺伝子をノックアウトさせる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レンチウイルスを扱うP2実験室を確保するのに時間を要した。さらに、遺伝子組換え新規実験申請の許可が下りたのが2023年2月であり、研究開始に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の大腸癌に対するVEGFA遺伝子のノックアウトが成功したら、大腸癌治療薬であるオキサリプラチン、フルオロウラシルをノックアウトした細胞に暴露し、VEGFA遺伝子が薬剤耐性に関与しているかを調べる。 さらに、1遺伝子だけではなく、複数の遺伝子をノックアウトさせるsgRNAライブラリを作成し、大腸癌の薬剤耐性に関与する遺伝子を特定する。
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Causes of Carryover |
sgRNAを注文予定だったが、海外から物流の都合により令和5年度の納入となったため、次年度に購入して使用する予定。
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