2023 Fiscal Year Research-status Report
The effect of T-DXd on the anti-tumor immune response in HER2-positive gastric cancer
Project/Area Number |
22K16493
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
芦澤 舞 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10791535)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トラスツズマブ デルクステカン / HER2陽性胃癌 / HLAクラスI / 抗腫瘍免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)がヒトの免疫系に及ぼす影響を明らかにするため、T-DXdが末梢血免疫細胞に及ぼす影響を多方面から解析する。本年度はHER2陽性胃癌細胞株をT-DXdで処理した際に、T細胞への癌抗原提示に重要なHLAクラスI発現への影響に関して解析を実施した。HER2陽性胃癌細胞株であるNCI-N87、OE19、MKN7を0.0001-10 ug/mlのT-DXdで刺激し、72時間後にフローサイトメトリーにより胃癌細胞株細胞表面上のHLAクラスI発現を観察したところ、有意な発現増加が観察された。HLAクラスIの発現上昇はトラスツズマブで刺激した細胞では観察されず、DXdと同様の薬理作用を有するイリノテカン刺激により誘導されたことから、DXdが関与する可能性が示唆された。T-DXdは抗腫瘍免疫応答の活性化に関与するケモカインの発現だけでなく、癌抗原提示に重要なHLAクラスIの発現を誘導することで、抗腫瘍免疫応答を活性化している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトの免疫細胞に対する影響の検討を予定しているがその準備にやや難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、T-DXdがHER2陽性胃癌患者あるいはヒトのPBMCに及ぼす影響に関し解析を実施する予定である。患者由来検体あるいはHER2陽性胃癌細胞株とPBMCの共培養系(すでに構築済み)を用いて、T-DXdがヒトの抗腫瘍免疫応答に及ぼす影響を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究では、申請者が所属する研究室で共通した試薬、抗体、キット、消耗品などを活用することができたため、新規の物品購入費が生じにくかった等の理由により、次年度使用額が生じた。
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