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2022 Fiscal Year Research-status Report

肝内胆管癌治療戦略樹立を目指した亜分類ならびに背景因子を踏まえた腫瘍微小環境解析

Research Project

Project/Area Number 22K16495
Research InstitutionOsaka Metropolitan University

Principal Investigator

木下 正彦  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30896303)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywords肝内胆管癌 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍免疫 / PD-1 / PD-L1 / Small duct type / Large duct type / 樹状細胞
Outline of Annual Research Achievements

1998年から2021年まで当科で切除を行った肝内胆管癌(ICC)125例のパラフィンブロックから未染プレパラートを作成した。7例ではブロック作成から長期間経過していたことで有効なプレパラート作成ができず、118例の検討を行った。HE染色をもとにICC症例をSmall duct typeおよびLarge duct typeに分類し、HE染色で分類が困難であった症例はSPP1およびS100Pを用いた免疫染色を追加して分類した。結果、64例がSmall duct typeに、54例がLarge duct typeに分類された。両者の臨床病理学的特徴を比較したところLarge duct typeでリンパ節転移や肝門部脈管浸潤が多く、Small duct typeのうち肝門近傍に位置する肝門型と比較してもこの傾向は認められた。そのため、ICCに対する外科的切除においてこれら亜分類により至適術式が異なる可能性が示唆された。
加えて、各亜分類において免疫染色による腫瘍微小環境比較を行った。両群間でPD-1の発現に差は認められなかったが、Small duct typeではPD-L1陽性例が有意に多かった。さらに、樹状細胞マーカーであるS100蛋白による免疫染色を行うと、Small duct typeで樹状細胞が高発現している一群が存在していた。Large duct typeでこの特徴はほぼ観察されず、さらに樹状細胞高発現例ではその他の症例に比較して腫瘍微小環境におけるPD-1、PD-L1、CTLA-4といった免疫疲弊分子が多く発現しており、樹状細胞による抗原提示および腫瘍免疫の活性化に対し、腫瘍が宿主の免疫から逃避すべくこれら分子の発現を誘導していると考えられた。すなわち、ICCは亜分類によって免疫関連分子を含む腫瘍微小環境が異なることが明らかとなり、現在さらに詳細な解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ICCに対する臨床病理学的解析により、Small duct type、Large duct typeというICCの亜分類の臨床病理学的差異が明らかとなり、外科的切除に影響を与えることを明らかとした。こちらについては現在論文投稿を進めている。さらに、これら亜分類が腫瘍微小環境の差異を形成しうるという当初の仮説についても、これまでの検討結果から複数の差異が明らかとなっており、亜分類はICCにおいて外科的切除・薬物療法を含む集学的治療に影響を与えうることが示唆された。
これらは当初想定していた結果の1つでもあり、研究開始前の仮説に準じ、おおむね順調に研究は進展していると判断される。

Strategy for Future Research Activity

初年度はICCの亜分類診断およびCD8、PD-1、PD-L1、CTLA-4、S100蛋白(樹状細胞マーカー)といった主な腫瘍免疫関連分子について検討を行った。さらにほかの免疫チェックポイント関連分子としてTIGIT、TIM3、LAG3の免疫染色を行い、これまでの解析結果との比較を行う。その後、マイクロサテライト不安定性(MSI)を反映するミスマッチ修復蛋白(MLH1
、MSH2、PMS2、MSH6)の免疫染色を行う予定である。
上記のごとく研究を進め、亜分類による腫瘍微小環境の差異をもとに、特に薬物治療においてその治療効果に影響を与えうるバイオマーカーを探索していく。可能であれば腫瘍微小環境解析結果をもとに分類に準じて、網羅的遺伝子解析を行い各群の特徴を比較することも検討している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 亜分類からみた肝内胆管癌外科治療戦略の再考2023

    • Author(s)
      木下 正彦
    • Organizer
      日本肝癌研究会学術集会
  • [Presentation] Large duct type intrahepatic cholangiocarcinoma is an independent risk factor for lymph node metastasis2022

    • Author(s)
      木下 正彦
    • Organizer
      日本肝胆膵外科学会学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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