2022 Fiscal Year Research-status Report
StageⅡ大腸癌の術後化学療法の必要性を判断する、人工知能システムの開発
Project/Area Number |
22K16500
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
一政 克朗 昭和大学, 医学部, 講師 (90595612)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
StageⅡ大腸癌は外科手術後の約15%に再発を認めるため、再発リスクが高い症例に対しては再発予防目的に一定期間の術後補助化学療法が推奨される。しかし、(1)化学療法の施行基準が本邦の大腸癌治療ガイドラインでは明確に決まっていない、(2)実臨床では欧米の基準に準じて再発率15%を上回る症例に対して治療リスク(治療関連死および神経障害後遺症、骨髄抑制、脱毛などの副作用)と引き換えに化学療法が勧められている、という問題点がある。 本研究では、外科手術後に得られる患者情報(年齢、性別、家族歴、腫瘍局在、腫瘍の大きさ、腫瘍マーカー等の採血データ、病理診断、リンパ節郭清個数等)を用いてstageⅡ大腸癌の再発予測(%)をする人工知能(AI)システム開発を目的としている。高精度な再発リスク層別化により、過不足ない治療提供をめざしている。 2022年度はマイルストーンである、stageⅡ大腸癌データベースの構築を予定通り完了することができた。具体的には、本学の約800例のstageⅡ大腸癌の臨床病理学的因子(約45項目)および再発/転移情報をMicrosoft Excelにて作成し、データ固定を行った。 欠損値や予後調査に関しては、電子カルテ使用や患者および転院先への問い合わせを行うことにより、より正確なデータベースを構築した。今後このデータベースをもとに、再発を予測するAIの開発フェーズに移行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度のマイルストーンである、stageⅡ大腸癌データベースの構築を予定通り完了することができた。具体的には、本学の約800例のstageⅡ大腸癌の臨床病理学的因子(約45項目)および再発/転移情報をMicrosoft Excelにて作成し、データ固定を行った。 欠損値や予後調査に関しては、電子カルテ使用や患者および転院先への問い合わせを行うことにより、より正確なデータベースを構築した。 現段階では当初予期していないことは発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、2022年度に構築したstageⅡ大腸癌のデータベースをもとに、大腸癌の転移/再発を予測する人工知能(AI)モデルを開発する。患者の臨床病理学的因子の中から、転移/再発と相関のある因子を5-10個程度抽出する(予測因子の選定)。機械学習のアルゴリズムにはrandom forestの使用を予定している。 集積した症例をtraining dataとtest dataに分け、最終的には200例程度を対象にAIをテストし、area under the curve (AUC)=0.70以上の診断予測精度を目指す。
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Causes of Carryover |
人工知能予測システムの開発用途のPCの購入を、本年度(2022年度)から次年度(2023年度)に変更する。 次年度は集積したデータをもとに、大腸癌の転移再発を予測する人工知能(AI)の開発に着手する。同時にAIの汎用性を検証するための外部(施設)データの集積を開始し、データベースの構築の完成を目指す。
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Research Products
(3 results)