2022 Fiscal Year Research-status Report
進行膵癌の根治可能症例を見極める:オルガノイドを用いた遺伝子解析
Project/Area Number |
22K16505
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浅野 大輔 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (90910175)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / 局所進行 / Conversion手術 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
診断時の8割を占めると言われる切除不能膵癌であるが、新規化学療法により、当初切除不能であった症例でも化学療法後に切除可能となる症例が増加してきた。このような症例では切除後5年以上の長期生存を得ることができる場合も散見されるが、一方で術後早期に遠隔転移再発をきたす症例も多い。術前に、再発しづらい一群を同定することは必要不可欠であり、本研究では切除不能局所進行膵癌の症例を対象とした多施設共同前向き臨床試験を行い、新規レジメン時代における局所進行膵癌の治療成績を明らかにするとともに、手術によって長期予後を得ることができる真の局所進行群を特定するために必要な因子を網羅的遺伝子解析を用いて解析することを目的としている。前年度はこの多施設研究実施に向けて当院での治療方針の策定ならびに多施設研究参加予定の関連施設と合同で治療方針の共有をはかるコンセンサスミーティングを行なった。受診時に局所進行膵癌と診断された場合には最低6-9ヶ月の全身化学療法ののちに腫瘍の縮小および腫瘍マーカーの低下を確認して手術へ移行することを確認した。また放射線治療の必要性に関しては過去の報告を参照しても明らかな有用性の報告はないことから、今回の研究では必須としない方針を確認した。並行して、膵癌の患者集積を行い、切除した患者の凍結標本の集積ならびにEUSで採取した検体からオルガノイドを作成することを消化器内科と協力して進めている。。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設研究実施のための研究計画書の作成が遅れている。臨床実績の蓄積は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前向きでの臨床試験の実施は困難である可能性があるため、状況によっては後ろ向きの多施設研究として、進行膵癌に対する治療成績をまとめ、予後因子を見出す方向性へ変更する可能性がある。
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Causes of Carryover |
前年度は症例ならびに検体の集積をおこなっており、まだ遺伝子解析をおこなっていない。今年度以降、集積した検体を用いて解析を行う予定である。
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