2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new immunotherapy after hepatectomy using anti-inflammatory cytokines
Project/Area Number |
22K16535
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今岡 祐輝 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任助教 (20939285)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肝臓内免疫 / 炎症性サイトカイン / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を低下させるメカニズムを解析する」ことである。肝臓内NK細胞は強力な抗腫瘍活性を持つが、門脈圧亢進に伴いその活性は低下し腫瘍再発の一因となっている。我々は門脈圧亢進が肝臓内NK細胞活性低下していることを見出した。この新知見をもとに、炎症性サイトカインIL-33制御が、門脈圧亢進状態の腫瘍再発を抑制しうる新規治療法となる可能性があり、臨床応用を展開するための研究基盤を確立することを将来の目的とする。 門脈圧亢進症マウスモデルやヒト検体を用いて、炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を減弱させるメカニズムを解析し、肝内在性NK細胞へ与える影響を明らかにする。抗IL-33の腹腔内投与により門脈圧亢進症モデルのマウスでは、肝臓内NK細胞上のTRAIL発現低下を緩和した。また、肝内転移マウスモデル(Hepa1-6細胞脾臓内投与+門脈右枝結紮モデル)を用いて、抗IL-33抗体を腹腔内投与の有無による腫瘍占拠率を評価したところ、抗IL-33抗体は肝臓内腫瘍占拠率の低下を認めた。今後、マウス肝灌流液より肝内在性NK細胞を採取し、TRAIL陽性NK細胞とTRAIL陰性NK細胞に分離し、mRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行う予定である。また、ヒト検体を用いたIL-33のNK細胞への効果を検証する予定である。抗IL-33抗体や抗炎症性サイトカインIL-37を用いることで、門脈圧亢進症が併存する肝癌患者や肝癌肝切除後患者、門脈塞栓術後患者を対象とした炎症性サイトカイン制御による免疫維持療法の新規開発に繋がると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、 炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を低下させるメカニズムを解析することである。 門脈圧亢進症モデルマウスを使用して、炎症性サイトカインIL-33が肝臓内NK細胞活性に与える影響を解析する計画である。抗IL-33抗体投与群は、門脈圧亢進状態でも肝内在性NK細胞の抗腫瘍分子(TRAIL)発現が有意に低下抑制されていることが明らかとなった。 また抗IL-33抗体投与は肝転移モデルにおいても有意に肝臓内腫瘍占拠率が低下した。このことは、IL-33を抑制することで、肝臓内NK細胞の抗腫瘍効果が維持されることを示唆する結果であった。
以上より、概ね順調に研究は進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き門脈圧亢進症マウスモデルを用いて、炎症性サイトカインIL-33が肝内在性NK細胞のフェノタイプ、機能に与える影響の解析を継続する。本研究により、炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を減弱させるメカニズムを解析し、肝内在性NK細胞へ与える影響を明らかにする。今後はIL-33の抑制機能を持つIL-37の効果やTRAIL陽性NK細胞内のシグナル解析を行い、より詳細にIL-33が持つ肝内在性NK細胞への影響を明らかにしていく。 抗IL-33抗体や抗炎症性サイトカインIL-37を用いることで、門脈圧亢進症が併存する肝癌患者や肝癌肝切除後患者、門脈塞栓術後患者を対象とした炎症性サイトカイン制御による免疫維持療法の新規開発に繋がると考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が53,686円となりました。理由としては、物品費が当初の予定より支出を抑えることができた事に起因します。次年度の物品費に加算して使用する予定です。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Impact of Abdominal Aortic Calcification After Major Hepatobiliary Pancreatic Surgery: A Retrospective Cohort Study.2022
Author(s)
Imaoka Y, Ohira M, Sato K, Imaoka K, Bekki T, Nakano R, Kuroda S, Tahara H, Ide K, Kobayashi T, Tanaka Y, Ohdan H.
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Journal Title
Anticancer Research
Volume: 12
Pages: 5983-5989
Peer Reviewed / Open Access
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