2023 Fiscal Year Research-status Report
細胞周期DNA修復からみた5-FU抵抗性大腸癌の治療強化法とターゲット蛋白の同定
Project/Area Number |
22K16539
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 卓弥 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30851745)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 5-FU抵抗性大腸癌 / G2/M期チェックポイント阻害剤 / 細胞周期 / TAS-102 |
Outline of Annual Research Achievements |
5-FU耐性大腸癌細胞株に対するAZD6738の併用効果を検討する研究を行うにあたり、まずは5-FU耐性の大腸癌細胞株の作成を開始した。大腸癌細胞株はHT29、 HCT116、DLD-1を使用している。5-FUをそれぞれの細胞株に暴露し、分裂の程度を確認しながら、細胞の継代を続け、少しずつ5-FUの濃度を上昇させている。HCT116に関しては十分な耐性が得られる状態となった。HT29、DLD-1に関しては目標とする耐性化までにはさらなる実験の継続が必要である。 トリフルリジン(FTD)とAZD6738の併用効果の検討を5-FU耐性でない大腸癌細胞株に対して、vivoでの検証を実施した。マウスの皮下に大腸癌細胞株を移植し、薬剤投与による実験を実施した。AZD6738併用群で有意差を持って腫瘍増殖が抑制された。 5-FU耐性を得たHCT116を使用し、vitroでFTD+AZD6738で細胞増殖実験を行った。併用群で増殖が抑制される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸癌細胞株で5-FU耐性株を作成するための実験で十分な増殖が得られず、研究の進行は遅れていたが、その後は比較的順調に計画を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
複数で5-FU耐性の大腸癌細胞株が作成されたら、未実施の細胞株で細胞増殖実験を行う予定である。トリフルリジン(FTD)によるDNA損傷の影響や、AZD6738による影響をフローサイトメトリーやウエスタンブロッティングで検討していく予定である。 マウス実験に関しては、5-FU耐性株での研究を予定している。
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Causes of Carryover |
耐性株作成のため実験の進行がやや遅れており、予定していたマウスによる実験を次年度に実施する予定となっている。
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