2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞外小胞の革新的サーフェスオーム解析を用いた肺癌早期診断バイオマーカーの開発
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22K16566
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 毅人 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40718334)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 肺癌 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
①患者検体収集:2022年1月より患者血漿の収集を開始し現在までに約700の血漿検体を収集できた。今後も検体収集については継続して行っていく。 ②細胞培養上清由来と腫瘍由来EVの比較:細胞株上清由来EVと腫瘍由来EVの比較をNanosightによるparticle countと透過電子顕微鏡による比較を行ったところ、両者は非常に類似しており、腫瘍検体からもEVの抽出が可能であることを確認できた。 ③腫瘍由来EVによるプロテオミクス解析:上記で示した腫瘍由来EVを用いてDTSSPラベリングを行った上でプロテオミクス解析を行ったが十分な数のサーフェスタンパクの検出には至らなかった。そこでTMT10plexラべリングにて腺癌、扁平上皮癌、正常肺、細胞株由来のEVを比較することとした。そのデータからいくつかの新規バイオマーカーターゲット候補が得られた。今後そのデータからエクソソーム表面にあると考えられるタンパクをピックアップしてEVアッセイを行っていく。 ④超高感度EVアッセイの開発:まずは細胞株由来のEVとPBSを使用してEVを正しく検出できるかを磁気ビーズ+EV特異的ペプチドにて確認したところいくつかの有力なペプチドが見つかった。今後このペプチドを利用したアッセイの開発を進めていく予定である。超高感度アッセイの感度は問題ないと考えるが特異度の点でまだ課題がある。感度・特異度両方が満たされるようなアッセイの開発を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に重要と考えられる検体収集、プロテオミクス解析によるターゲットの探索、EVアッセイの開発が計画通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍由来エクソソームから得られたプロテオミクスの解析結果を用いてバイオマーカーターゲットを選定し、患者血漿検体を用いたEVアッセイを行うことでバリデーションを行っていく。
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Causes of Carryover |
令和4年度は検体収集やプロテオミクス解析が中心で、アッセイについてはプロトコールの確定のための予備実験に留まったため、未使用額は令和5年度にアッセイ開発に充てることとなった。
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