2023 Fiscal Year Research-status Report
Uncontrolled心停止ドナー肺の活用を可能とする新肺評価法の開発
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22K16570
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 真 岡山大学, 大学病院, 助教 (20831308)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 心停止ドナー肺移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では肺移植の平均待機期間は2.5年で、待機患者の41%が移植の機会がなく死亡しており、ドナー不足は未だに深刻な問題である。その解決策として、心停止 後に臓器を提供する心停止ドナー(Donation after Cardiocirculatory Death donor; DCD donor)からの臓器提供が期待されている。脳死肺と異なりDCD肺は心 停止前後に肺に不可逆性の虚血障害が生じる場合があり、DCDドナー肺の移植は、ドナー体内において肺障害の評価ができないことが大きな障壁の一つとなって 本邦では実現されていない。一方、DCD腎移植は既に行われており、心停止ドナーの中に移植可能な肺が存在することが予想される。今回申請者は心停止後ド ナー肺を摘出することなく、ドナー体内に肺閉鎖灌流回路を設置しドナー肺の機能評価を行うCardiopulmonary normothermic regional perfusion (CAnRP)法を 考案した。実験の過程で心臓を灌流せずに肺と腹部を灌流しドナー体内で評価するPulmoabdominal normothermic regional perfusion (PARP)法の回路確立に成功した。腹部臓器のみの回路はすでに海外で臨床応用されており、今回この回路にバイパスを置く形で肺を評価することができる。この回路の有用性は肺を摘出後にドナー体外で評価する必要がなくドナー体内で安価に評価できることからその有用性は確実である。現在この回路の設定評価とコントロール群の比較を行っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り実験群が確立しており、実験症例とコントロール群を重ねる方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験症例を重ねることで早期の研究達成を見込むことができる。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入にて少額ではあるが経費削減ができたため、令和6年度の実験費用に上乗せする予定である。
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