2022 Fiscal Year Research-status Report
Novel biomarker for thymic epithelial tumors by using multiple immunostaining
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22K16575
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
石原 駿太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60751279)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多重免疫染色 / 胸腺腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、小児胸腺および胸腺腫内のリンパ球について多重免疫染色を実施した。小児胸腺のパラフィンブロック(FFPE)切片を用いてCD4/CD8/CD3の多重免疫染色を行い、皮質に未熟リンパ球(CD4+/CD8+)が多く、髄質に成熟リンパ球に(CD3+/CD4+ or CD3+/CD8+)が多い事を確認した。続いて小児胸腺と胸腺腫のFFPEを用いてCD4/CD8/CD7/CD5/CD3/CD69/PD-1の多重免疫染色を行った。胸腺腫の腫瘍内リンパ球のPD-1発現率は、未熟段階であるCD4/CD8 double negativeのCD7+/CD5-からCD7+/CD5+で発現率が上昇し、CD4/CD8 double positiveのCD3-/CD69-では一旦低下するが、成熟リンパ球となるCD3+/CD69+では大幅に上昇する事がわかった。これは正常胸腺での成熟過程におけるPD-1発現の傾向と同様であった。 次に胸腺腫の腫瘍内リンパ球の性質を多重免疫染色で識別するために、一次抗体の選定を行っている。成熟段階の未熟T細胞、ナイーブT細胞、Th1、Th2、濾胞性T細胞、制御性T細胞、Th17について識別できるように、CD45/CD4/CD8/CD3/TdTについては、これまでの実験で使用していた抗体を用い、T-bet/GATA3/Bcl6/Foxp3/CD95/CCR7/RORγについては、新規に一次抗体を選定しvalidationを行った。Positive control(小児胸腺、扁桃)での染色性は概ね良好であった。また胸腺腫の臨床検体を用いて多重免疫染色を行い、ある程度良好な染色性が得られる事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小児胸腺内リンパ球での多重免疫染色が、正常のリンパ球成熟過程で示すパターンを示している事がわかり、多重免疫染色の胸腺リンパ球解析が有用である事が確認できた。また多重免疫染色で胸腺腫のリンパ球を識別する事に必要な抗体の選別が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
胸腺腫の臨床検体を用いて、多重免疫染色を行う予定である。重症筋無力症を合併する胸腺腫内のリンパ球について、CD45/CD4/CD8/CD3/TdTの多重免疫染色を実施し成熟段階を確認する。またT-bet/GATA3/Bcl6/Foxp3/CD95/CCR7/RORγの発現で、リンパ球の性質を確認する。これらのリンパ球が、重症筋無力症合併例と非合併例でレパートリに差があるのか、性質に違いがあるのかを確認し、重症筋無力症の発症を予測するリンパ球の同定を目指している。また、TCGAデータベースの胸腺上皮性腫瘍ゲノム情報を利用し、重症筋無力症に関連する遺伝子をpick-upし、多重免疫染色でのリンパ球識別を行い、どのリンパ球がbiomarkerとして有用であるかを同定を計画している。
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Causes of Carryover |
一次抗体の選定で、予定よりも順調に抗体を決定する事ができたため。 胸腺腫のリンパ球の多重免疫染色に必要な抗体を購入する。
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Research Products
(1 results)