2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of orexin neuronal system to the development of postoperative delirium and cognitive decline
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22K16609
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
竹川 大貴 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (80834803)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オレキシン / 術後せん妄 / 術後認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】我々は以前にLPS 腹腔内投与によるラット敗血症モデルの睡眠障害について検討し、成長に従いOX神経が欠落する遺伝子改変ラット(Orexin/Ataxin-3 transgenic rat:TG rat)及びWild type rat (WT rat)は覚醒時間が増加し、NREM、REM睡眠時間が減少すること、特にTG ratはWT ratに比べてREM 睡眠時間が多く減少することを報告した。今回はLPS投与に加えてOXを投与し、外因性OXの敗血症による睡眠障害への影響を検討した。【方法】体重300-400gの雄性WT rat (n=6)及びTG rat (n=6)を対象とし、睡眠を24時間記録した。その後、LPS(1mg/kg)の腹腔内投与及びOX(1nmol:覚醒を促す量)を脳室内投与し、睡眠を24時間記録した。意識状態を覚醒、NREM睡眠、REM睡眠に分類し、3時間毎に区切り、各ratのLPS及びOX投与前後の意識状態の量の差を2-way ANOVAで比較、 Bonferroni法で時間毎の多重比較をした。【結果】LPS及びOX投与後にWT ratは1-3、10-12、13-15、19-21時間で覚醒時間の増加、NREM睡眠時間の減少を認めた(図1)。TG ratは1-3時間で覚醒時間の増加、NREM睡眠時間の減少を認めた(図2)。REM睡眠に関しては投与前後で両ratとも有意差はなかった。 【結論】覚醒を促す量の外因性OX投与では両ratの敗血症による睡眠障害を完全には改善できなかったが、両ラットのREM睡眠時間減少を防いだ。
その他術後認知機能障害ラットモデルを用いた研究も現在おこなっている。 臨床研究に関しては術前・術後の血中オレキシン値と術後せん妄発症の関連について現在症例を蓄積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験、臨床研究ともに倫理委員会の承認を得て研究を順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
術後認知機能障害ラットモデルにオレキシンの投与を行い、認知機能の改善が図れるかを検討する。 臨床研究はこのまま症例を蓄積していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であることから当初の予定よりも学会出張が少なかった。令和5年度は令和5年度は物品の充実及び学会参加により研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)