2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the mechanisms of glycocalyx shedding and fluid retention caused by cancer cachexia
Project/Area Number |
22K16611
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
熊倉 康友 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (00530130)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 血管内皮グリコカリックス / がん悪液質 / 体組成分析 / シンデカン1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は85As2細胞を移植したがん悪液質マウスモデルでの検討を中心に行った。結果としては、グリコカリックスの構成成分であるシンデカン1血漿中濃度はコントロール群と差が見られず、電子顕微鏡での直接観察においても両群に差を認めなかった。現在、その要因を検討しているところであるが、これまでの研究からがん悪液質に見られる全身性炎症を引き起こす炎症性サイトカイン(IL-6、TNFαなど)が85As2移植マウスでは上昇しないという結果が得られており、全身性炎症が十分に引き起こされていないためではないかと推測している。この実験結果は、2024年度の国際学会にて発表予定となっている。 臨床研究として、がん悪液質患者における血漿中シンデカン濃度測定・体組成分析を行っているが、症例のエントリーが未だ進んでいない現状である。今後エントリー増のための方策を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
基礎実験については、当初予定していた実験は遂行できたものの、予想していた結果が得られず、がん悪液質マウスモデルを変更して継続して実験を行っているため、進捗状況としては遅れている。また、臨床研究は参加者の確保が困難であり、現在対応を検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
基礎実験では、炎症性サイトカインを産生するがん悪液質マウスモデルを検討したところ、Colon26細胞を用いたがん悪液質マウスモデルがIL-6を産生することが分かったため、そのモデルの作成と同様の実験を現在行っているところである。またこれまでの実験結果をもとに論文作成を行っている。 臨床研究については、参加者の確保と、研究計画の見直しを検討していく。
|
Causes of Carryover |
基礎・臨床研究の遅れに伴い、学会発表や論文作成等も遅れており、使用額が予定よりも減少している。今年度は学会発表・論文作成と、新たな実験も予定しており、繰り越した助成金を使用していく予定である。
|