2022 Fiscal Year Research-status Report
出血性ショックにおける水素ガス含有溶液の大動脈遮断下流灌流による臓器障害軽減効果
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22K16630
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松岡 義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70649938)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 出血性ショック / 水素ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、出血性ショックに対して使用される大動脈バルーン遮断の有害事象である遮断下流の諸臓器の虚血傷害に対して水素ガス含有溶液による遮断下流の灌流が生命ならびに機能予後改善に寄与するか否かを検討することである。 2022年度は、モデルの確立に尽力した。部分遮断では遮断割合の不安定が強く、一定の条件の再現が難しく、完全遮断での効果の評価をまず行う方針とした。2022年度は、ブタ肝損傷モデルを用い、水素ガス含有溶液の遮断下流灌流による下流の臓器障害の抑制効果の効果を検証した。
ショック時間(大動脈遮断時間)90分と60分でそれぞれ3匹ずつの検討をおこない、水素ガス含有溶液の遮断下流灌流により、乳酸値の経時的な上昇の抑制効果並びに、血圧の上昇効果を確認できた。今後、症例数を増やし、統計学的な差を検出することを予定している。また、今後は、各種サイトカイン(HMGB1、TNF-α、Syndecan 1、 IL-6 )の評価ならびに肝臓、腎臓、十二指腸での組織学的な評価を行う予定である。それらの結果を踏まえ、完全遮断下での有用性の検討の継続、もしくは部分遮断への応用性の検討を行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ショック時間(大動脈遮断時間)90分と60分でそれぞれ3匹ずつの検討をおこない、水素ガス含有溶液の遮断下流灌流による上記効果を確認でき、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、症例数を増やし、統計学的な差を検出することを予定している。 また、今後は、各種サイトカイン(HMGB1、TNF-α、Syndecan 1、 IL-6 )の評価ならびに肝臓、腎臓、十二指腸での組織学的な評価を行う予定である。 それらの結果を踏まえ、完全遮断下での有用性の検討の継続、もしくは部分遮断への応用性の検討を行なっていく。
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Causes of Carryover |
117円で購入できるものがなかったため、次年度の予算(ブタの購入ならびに各種サイトカイン(HMGB1、TNF-α、Syndecan 1、 IL-6 )測定のための試薬など)と合わせての使用を検討している。
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