2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K16631
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 良 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90528853)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素ガス / 虚血再灌流 / 腸管虚血 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管虚血は頻度の高い腹部救急疾患であり、病態の持続によって腸管バリアの破綻によるバクテリアルトランスロケーションから敗血症などに進展することが示唆されており、また、腸管壊死に至れば外科的切除が必要となる重症度も高い疾患である。一方で、虚血の原因解除以外に確立した治療法はなく、腸管虚血から腸管壊死への進行を抑制する治療法は存在しない。腸管虚血モデルラットに対する水素ガス吸入の予備実験から、水素ガスが虚血再灌流における小腸幹細胞の保護作用があることを見出していたため、その結果をもとに、水素ガスの小腸幹細胞保護作用のメカニズムに関して解明を試みた。 腸管虚血モデルラットは腸間膜動脈の60分間のクリッピングとし、再灌流はクリッピング解除から1時間後施行した。虚血のみ、虚血再灌流、水素ガス投与下での虚血再灌流の三つもモデルを用いて、免疫染色による組織の観察、小腸幹細胞特異的なRNA量の測定、また、全身の酸化ストレスの程度を評価した。 結果として、全身では水素ガス投与による酸化ストレスの軽減作用は認めないものの、腸管において再灌流で生じる酸化ストレス障害と小腸幹細胞障害が、水素ガスで軽減することを示唆する所見を得た。また、幹細胞壊死に至る過程で生じる複数のカスケードに存在するRNAにおいて、水素ガスの影響を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階で、腸管の虚血再灌流における小腸幹細胞の酸化ストレスが、水素ガスによって軽減されることが見出され、小腸幹細胞壊死に至る過程で重要なRNAへの影響を示唆する所見も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
小腸幹細胞壊死に対する水素ガスが働くメカニズムを、より詳細に明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
予定していた学会へコロナウイルス流行のために参加できなくなったため、また、効率的な物品調達を行ったため、次年度使用額が生じました。使用計画に関しまして、現在進行中の腸管虚血モデルラットを用いた研究の継続と、学会での発表や論文執筆に関わる経費で使用する予定です。
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