2022 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞エクソソームを用いた重症熱傷に対する新たな治療法の開発
Project/Area Number |
22K16636
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
澤田 悠輔 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90805897)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 熱傷 / 間葉系幹細胞(MSC) / 間葉系幹細胞エクソソーム / マイクロRNA(miRNA) / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症熱傷に対する治療法については、局所治療と全身管理が中心となっているが、全身の炎症反応や侵襲後免疫不全を制御できるような革新的な治療法は未だに開発されていない。 我々は、これまでの研究成果から、マウス間葉系幹細胞(MSC)培養上清から抽出したエクソソーム、さらに、エクソソームに含まれるマイクロRNA(miRNA)が抗炎症作用や創傷治癒に関与することに着目した。 具体的には、Ⅲ度熱傷モデルマウスに対して、マウス間葉系幹細胞(MSC)培養上清から抽出したエクソソームを投与することで、重症熱傷の局所治療や全身管理の新たな治療法を開発することを研究の目的としている。また、エクソソーム内に含まれるマイクロRNAを解析して、治療に有効なマイクロRNAを探索し、エクソソームによる重症熱傷に対する創傷治癒のメカニズムを解明することを目的としている。 当該年度においては、マウス間葉系幹細胞(MSC)培養上清から抽出したエクソソームを確実に投与できる研究環境の整備を中心に取り組んできた。Ⅲ度熱傷モデルマウスの作成法自体は確立しているものの、熱傷の侵襲も大きいため、安定的な実験系を確立させることに注力している。さらに、今後はⅢ度熱傷モデルマウスにエクソソームを投与した場合の生体内の炎症性サイトカインの挙動について、ELISA法を用いて解析する予定である。 また、マイクロRNAについても、報告されている研究成果から、治療に有効と考えられるマイクロRNAをリストアップし、熱傷モデル培養細胞に効率よく投与できるような環境の整備を中心に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は安定的な実験系を確立することを中心に取り組んでいることから、上記(3)と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的である間葉系幹細胞(MSC)培養上清エクソソームをⅢ度熱傷モデルマウスに投与することで、エクソソームに熱傷の治療効果があることを明らかにするための研究を継続していく。まずは肉眼的・病理組織学的な解析を中心に行い、さらにマイクロRNAの熱傷治療効果に関しても研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究の進行はやや遅れているが、既存の実験器具や試薬、物品などにより、大きな予算を使用せずに研究を進めている。今後、得られた結果で更なる発表等を行うことで、研究費使用を推進していく所存である。
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