2022 Fiscal Year Research-status Report
The effect of temperature targeting management in the mouse model of pediatric acute encephalopathy
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22K16637
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野坂 宜之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (30713961)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 急性脳症 / マウスモデル / 低体温療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度における本研究の計画は、①すでに論文報告されたサイトカイン・ストーム型小児急性脳症マウスモデル(Kurata et al. Exp Biol Med 2019)を我々の実験室内で確立し、②そのモデルにおける低体温/平温療法の効果検証を進めることの2項目であった。 ①当研究室にすでに設置された機器に加え、本研究予算で計画された脳波計を購入し、マウスの神経集中治療管理が可能な環境を実験室内に整備した。5週齢のC57BL6雄マウスにリポポリサッカリド(LPS)を投与し41℃30分の高体温処理を鎮静・鎮痛、人工呼吸管理下に行った結果、その後マウスが急性脳浮腫を呈することを確認した(Wet-Dry ratioの算出による。2-3%)。しかし、鎮静剤が有する抗けいれん作用により、脳浮腫は誘発できたがけいれん発作を誘発することは脳波記録上でも達成できなかった。 ②モデルマウスを36℃平温群、34℃低体温群に振り分けてそれぞれの脳浮腫の程度をWet-Dry ratioにより検討した。なお、体温管理中には人工呼吸管理下に血液ガス分析を実施し、脳圧管理に影響しないように動脈血二酸化炭素濃度を呼吸数を調節することにより調整し、呼吸要素が脳浮腫に与える影響を最小限にするように努めた。その上で、低体温群では平温群に比較し浮腫の程度は小さい傾向であることを示した(各群3匹)。しかし、現モデルは体温管理途中に不整脈を発症し死亡する頻度が高く、体温管理時間が一定しないため、モデルの改良あるいは輸液管理などマウスの全身管理方法に改良を加える必要性が生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本モデルは高体温処理にともなう脱水傾向、ならびに腎機能障害を呈することが血液ガス分析で明らかになり、長時間の人工呼吸管理ならびに体温管理療法を実施することが難しいことが判明した。特に高カリウム血症を呈すると短時間のうちに不整脈から死亡に至ってしまった。そのためモデルの改良あるいはマウスの全身管理方法に改良を加える必要性が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り2023年度以降もサイトカイン・ストーム型モデルでの低体温・平温療法の効果検証を進めていくが、モデルの改良あるいはマウスの全身管理方法に改良に着手するところから始める。興奮毒性型小児急性脳症モデルの作成はサイトカイン・ストーム型モデルでの低体温療法の効果検証が終了したのちに着手する予定である。着実な推進を目指し、リサーチアシスタントを雇用する。
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Causes of Carryover |
モデルあるいはマウスの全身管理方法の改良の必要性が明らかになり、予定された検体解析に使用する物品を購入する予定を延期したために次年度使用額が発生した。翌年度は必要な改良をすすめ、請求した助成金とあわせて採取検体の解析を進めるための物品・消耗品をまとめて購入する予定である。
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