2022 Fiscal Year Research-status Report
アナフィラキシーにおける血管内皮障害のリアルタイム観察と制御法の探索
Project/Area Number |
22K16638
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 賢輔 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10750490)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | アナフィラキシー / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる令和4年度はラットのヒスタミン投与モデルを用いて血管透過性の評価と循環動態とサイトカインの測定とグリコカリックスの評価を行う予定であった。現在は動物用人工呼吸器を購入し、実験環境を作成し、予備実験を行っているところである。しかし、コロナ禍による臨床業務の増加により、思うように動物実験を行うことができない期間もあり、進捗状況としてはやや遅れている。今後、まずはヒスタミン投与モデルでの血管透過性の変化を多光子励起顕微鏡と非線形光学顕微鏡で耳介の微小血管を観察することで評価し、血管内皮グリコカリックスへの影響をグリコカリックスが障害されると上昇するシンデカン-1およびヘパラン硫酸をELISAで測定し、採血と同時にグルタールアルデヒドと硝酸ランタンを用いて灌流固定し、透過型電子顕微鏡で心筋と耳介の毛細血管内皮細胞のグリコカリックスの観察を行い、密度、厚みを評価する。ヒスタミンによる血管透過性と血管内皮グリコカリックスへの影響を評価後は、本研究の核心であるアナフィラキシーモデルを用いた血管透過性の評価と循環動態とサイトカインの測定とグリコカリックスの評価を行う予定である。アナフィラキシーモデルでの血管透過性と血管内皮グリコカリックスへの影響を評価後には、熱中症や敗血症のグリコカリックス障害に対して有効である鎮静薬デクスメデトミジンの投与を行い、アナフィラキシーに対しても有効であるかを検討することで、病態の新たな制御機構を明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による臨床業務の増加により、思うように動物実験を行うことができない期間もあり、進捗状況としてはやや遅れている。現在は動物用人工呼吸器を購入し、実験環境を作成し、予備実験を行っているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、まずはヒスタミン投与モデルでの血管透過性の変化を多光子励起顕微鏡と非線形光学顕微鏡で耳介の微小血管を観察することで評価し、血管内皮グリコカリックスへの影響をグリコカリックスが障害されると上昇するシンデカン-1およびヘパラン硫酸をELISAで測定し、採血と同時にグルタールアルデヒドと硝酸ランタンを用いて灌流固定し、透過型電子顕微鏡で心筋と耳介の毛細血管内皮細胞のグリコカリックスの観察を行い、密度、厚みを評価する。ヒスタミンによる血管透過性と血管内皮グリコカリックスへの影響を評価後は、本研究の核心であるアナフィラキシーモデルを用いた血管透過性の評価と循環動態とサイトカインの測定とグリコカリックスの評価を行う予定である。アナフィラキシーモデルでの血管透過性と血管内皮グリコカリックスへの影響を評価後には、熱中症や敗血症のグリコカリックス障害に対して有効である鎮静薬デクスメデトミジンの投与を行い、アナフィラキシーに対しても有効であるかを検討することで、病態の新たな制御機構を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍による臨床業務の増加により、思うように動物実験を行うことができない期間もあり、進捗状況としてはやや遅れているため、次年度使用額が生じた。今年度は今年度分として請求した助成金と合わせて、実験を促進していく。
|