2022 Fiscal Year Research-status Report
メタンフェタミン中毒に対するデクスメデトミジンの効果と作用機序の解明
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22K16643
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岡田 剛史 自治医科大学, 医学部, 講師 (20742844)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタンフェタミン / デクスメデトミジン / 高体温 |
Outline of Annual Research Achievements |
Methamphetamine(METH)は本邦の依存性薬物の中核を成す違法薬物の一つである。現在、本邦では使用者の増加が問題となっている。その中で、多数のMETHの過剰摂取による死亡例が報告されているが、ほぼ例外なく高体温を呈し、高体温が生命予後に深く関わっていると考えられる。本研究では、アドレナリンα2受容体作動薬であるデクスメデトミジン(DEX)がMETHの高体温を抑制すること明らかにすることを目的としている。現段階では、ラットモデルでMETHによる過活動が出現すること、DEX単体で行動量を抑制する一方で低体温をきたさないことを確認した。 今後、METHによる高体温及び過活動をDEXの腹腔内への先投与、後投与いずれかにおいて抑制するかの実験を、体内埋め込み型の行動量・体温測定器であるnano-tagを用いて行う。抑制するのであればα2A受容体作動薬であるGuanfacine、選択的α2B受容体作動薬である(-)-Dibromophakellin、選択的α2C受容体作動薬である(R)-(+)-m-Nitrobiphenyline oxalateを用いて同様の実験を行い、どのα2受容体のサブタイプを介して効果を発揮しているのかを明らかにする。さらに、体温調節の中枢の一つであるとされ、脳内微小透析法を用いてどのα2受容体のサブタイプを介してMETHの脳内モノアミン濃度上昇を抑制しているか検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者本人が2022年7月に脳梗塞を発症し、それ以降の研究が一切できない状況となっていた。 2023年4月より研究を再開している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年7月までにMETHによる高体温でDEXが抑制するかの実験を行う。抑制するのであれば10月ごろを目処にα2A受容体作動薬であるGuanfacine、選択的α2B受容体作動薬である(-)-Dibromophakellin、選択的α2C受容体作動薬である(R)-(+)-m-Nitrobiphenyline oxalateを用いて同様な実験を行い、どのα2受容体のサブタイプを介して効果を発揮しているのかを明らかにする。 その後、脳内微小透析法を用いた実験に移行する。
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Causes of Carryover |
研究者本人が7月に脳梗塞を発症し、以降研究が中断していたため残金が発生している。 次年度は、特に脳内微小透析法の初期費用として総計45万円程度を見込んでいる。 しかしながら、実験の進捗次第では研究期間の延長も検討している。
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