2022 Fiscal Year Research-status Report
熱中症における熱産生調節機構の解明と予防戦略の確立
Project/Area Number |
22K16646
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 恵輔 昭和大学, 医学部, 助教 (70914224)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 熱産生 / 熱中症 / PACAP / 褐色脂肪組織 / 深部体温 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの体温は、熱産生と熱放散がバランスを取り合い37℃前後に厳密にコントロールされている。熱中症ではこの熱産生と熱放散のバランスが崩れることにより、体温上昇を引き起こし多臓器障害が引き起こされる。当該研究の目的は熱産生に着目しこれをコントロールすることで新たな熱中症予防法や熱中症治療法を開発することである。そのために①恒常的な熱産生の亢進は暑熱暴露ストレスに影響するか?②非ふるえ熱産生の阻害・抑制は暑熱暴露ストレスに干渉するか?③運動/食事による熱産生の増強は熱中症予防となり得るのか?の3つの問いを明らかにする 当該年度は①恒常的な熱産生の亢進は暑熱暴露ストレスに影響するか?を明らかにするために下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)KOマウスを用いて熱中症の影響について調べた。その結果、PACAP KOマウスでは野生型と比較して熱中症暴露後の死亡率が低く、熱暴露中の体温は低く保たれた。さらに、温度感受性ニューロンが存在することで知られる視床下部腹内側視索前野のc-Fosの遺伝子発現および免疫反応は、PACAP KOマウスでは野生型マウスに比べ有意に低下した。また、熱産生の主要部位である褐色脂肪組織においても、PACAP KOマウスと野生型マウスの間で違いが観察された。これらの結果から、PACAP KOマウスは熱に強いことが示唆された。その原因としてはPACAP KOマウスと野生型マウスでは、熱産生メカニズムが異なるためだと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の結果より①恒常的な熱産生の亢進は暑熱暴露ストレスに影響するか?という問いを明らかに出来た。また当該結果は学術論文にアクセプトされ掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
②非ふるえ熱産生の阻害・抑制は暑熱暴露ストレスに干渉するか?を明らかにするためにマウスに薬剤投与や外科的処置を加えて問いを明らかにしてく。
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Causes of Carryover |
実験計画が順調に進み予定より血液検査の外注回数が少なく済んだため。
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Research Products
(35 results)
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[Journal Article] Effect of PACAP on Heat Exposure2023
Author(s)
Suzuki Keisuke、Yamaga Hiroki、Ohtaki Hirokazu、Hirako Satoshi、Miyamoto Kazuyuki、Nakamura Motoyasu、Yanagisawa Kaoru、Shimada Takuya、Hosono Tomohiko、Hashimoto Hitoshi、Honda Kazuho、Dohi Kenji
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 24
Pages: 3992~3992
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Effect of pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP) on heat-stress2022
Author(s)
Keisuke Suzuki, Kazuyuki Miyamaoto, Hirokazu Ohtaki, Hiroki Yamaga, Satoshi Hirako, Motoyasu Nakamura, Kaoru Yanagisawa, Takuya Shimada, Hitoshi Hahsimoto, Kazuho Honda, Kenji Dohi
Organizer
VPAC ISBAP 2022
Int'l Joint Research
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[Presentation] TTMを施行したOHCA症例における神経学的予後の予測2022
Author(s)
杉本 達也, 鈴木 恵輔, 加藤 晶人, 青木 献広, 島田 拓哉, 森 ちひろ, 昼間 楓, 原野 康平, 中村 元保, 井上 元, 土肥 謙二
Organizer
第25回日本脳低温療法・体温管理学会 学術集会
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[Presentation] 軽微な外傷で発症したびまん性特発性骨増殖症(DISH)に伴うChance骨折と脊髄硬膜外血腫の一例2022
Author(s)
菊地 一樹, 井上 元, 杉本 達也, 皆川 駿, 昼間 楓, 原野 康平, 中村 元保, 鈴木 恵輔, 加藤 晶人, 八木 正晴, 土肥 謙二
Organizer
第50回日本救急医学会総会・学術集会
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[Presentation] 抜管に難渋した重症筋無力症の一例2022
Author(s)
島田 拓哉, 杉本 達也, 中村 元保, 加藤 晶人, 柳澤 薫, 昼間 楓, 香月 姿乃, 井上 元, 鈴木 恵輔, 八木 正晴, 土肥 謙二
Organizer
第50回日本救急医学会総会・学術集会
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[Presentation] 救命困難であったカテコラミン心筋症の一例2022
Author(s)
青木 献広, 原野 康平, 中村 元保, 加藤 晶人, 柳澤 薫, 昼間 楓, 香月 姿乃, 井上 元, 鈴木 恵輔, 八木 正晴, 土肥 謙二
Organizer
第50回日本救急医学会総会・学術集会
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[Presentation] 杉本 達也, 鈴木 恵輔, 加藤 晶人, 島田 拓哉, 森 ちひろ, 昼間 楓, 原野 康平, 中村 元保, 井上 元, 八木 正晴, 土肥 謙二2022
Author(s)
昭和大学病院におけるECPRの導入基準
Organizer
第50回日本救急医学会総会・学術集会
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[Presentation] COVID-19に伴う下腿壊死により下腿切断に至った1例2022
Author(s)
島田 拓哉, 中村 元保, 加藤 晶人, 栗原 茉莉子, 菊地 一樹, 山荷 大貴, 香月 姿乃, 井上 元, 鈴木 恵輔, 八木 正晴, 土肥 謙二
Organizer
第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会
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