2023 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤と頸動脈狭窄症でのvessel wall imagingの分子機序の解明
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22K16656
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部倉 友 京都大学, 医学研究科, 助教 (60912508)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | vessel wall imaging / cerebral aneurysm / wall enhancement |
Outline of Annual Research Achievements |
高分解能MRIにガドリニウム造影剤を組み合わせたVessel wall imagingにより頚動脈狭窄症や脳動脈瘤等の血管病において病態進展のリスク予測指標となる可能性が示されているが、その造影効果が病態の分子機序のうち何を検出しているかは未解明である。本研究の目的は、Vessel Wall Imagingによる病変部の動脈壁の造影効果の機序を明らかにし、頚動脈狭窄症や脳動脈瘤等の血管疾患において、造影効果が病態進展リスクの評価指標となる理論的背景を確立することである。Vessel Wall Imagingにて造影効果を呈するヒトの頸動脈狭窄症の手術摘出標本(n=5)に加え、本年度は新たにヒト動脈瘤標本(n=1)を取得し、ガドリニウムの局在についての追加検討を行った。標本に粒子ビームを照射することで発生するガドリニウムの特性X線を検出することにより、標本中にガドリニウムが存在することを証明できた。さらに組織内を走査し特定X線を集積解析することで、ガドリニウムの局在部位のマッピング情報を追加取得した。さらに同一標本での病理組織学的解析を行うことで、組織内でのガドリウム分布と組織学的特徴についての知見を得ることができた。組織内の細胞種の分布とガドリニウムマッピングを照合することで造影効果についての分子学的機序の解明を進めている。また造影効果の有無により頸動脈狭窄症や脳動脈瘤の経過がどのように異なるのかについては、すでに完成している脳動脈瘤および頸動脈狭窄症の各動物モデルを用いて検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガドリニウムの組織内のマッピングについて前例がなく組織の採取や観察条件の設定に時間を要したが最終的にガドリウムの組織内でのマッピングが施行できたため
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた組織内のガドリニウムの分布データの解析結果をまとめ論文作成を進めるとともに、そこで得られた知見について、動物モデルを用いて追証を行う。
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Causes of Carryover |
組織内のガドリニウム解析についての条件設定を検討に時間を要しており、次年度に標本の組織学的染色を追加する必要性および解析結果についての論文作成を行うとともに動物モデルので追従実験を行う。
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