2022 Fiscal Year Research-status Report
頭蓋内温熱治療を目的としたシミュレーションに必要な脳・腫瘍組織の光熱物性値の測定
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22K16670
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐野 史弥 東海大学, 医学部, 助教 (40879839)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 温熱療法 / レーザー / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザーや超音波を用いた温熱療法が様々な分野で応用されている。脳神経領域でもてんかんや脳腫瘍に対するレーザーを用いた組織内照射加温(LITT: laser interstitial thermotherapy)が行われるようになった。現在のLITT治療は、組織温度の上昇を後追いで観測し治療計画を組み立てている。そこで温熱療法の効果を事前に脳組織生体シミュレーションを行えれば、治療の確実性と安全性が向上する。このシミュレーションを行うためには、脳や脳腫瘍の光学・熱物性に関する基礎データが必要と考え、脳および脳腫瘍病変を用いた基礎値の測定を提案する。脳組織における光温熱生体数値シミュレーションモデルはいまだ世界で開発されておらず独創的である。そのモデル構築に必要な組織における物性値は、The Foundation for Research on Information Technologies in Society : IT'ISのデータが有名である。しかしこのデータベースには、レーザーを光源としたデータは記載されていない。提案する研究課題では、IT’ISのデータベースを補完することを目指す。光物性値と熱伝導率の測定を加え既知のデータを補完する。採取した脳腫瘍組織を、それぞれ光学特性値、熱伝導率を測定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、光学測定および熱伝導率の測定を行い、データをまとめている。腫瘍自体の量が少なく、複数回の計測が困難であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
データをまとめ、論文作成を行う。課題としては生体での光学測定の再現性の検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
レーザー発振器の購入を検討している。 半導体レーザーのため、半導体不足の影響を受けている。
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