2023 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺機能障害に合併する頭蓋内血管狭窄の遺伝子変異と病態解析
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22K16671
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
亦野 文宏 日本医科大学, 医学部, 講師 (70557511)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | もやもや病 / 甲状腺機能亢進症 / RNF213 |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病はアジア人に多発する原因不明の両側性内頚動脈終末部閉塞性疾患である。近年、17 番染色体にあるRNF213 遺伝子の4810番目のアルギニンがリジンに代わる遺伝子多型(p.R4810K)が原因であることが判明したが、一方で、もやもや病類似の血管狭窄を来す様々な疾患が知られており、若年性頭蓋内血管狭窄性病変の鑑別診断は容易でない。厚生労働省特定疾患治療研究事業の診断基準においても、除外する基礎疾患として、自己免疫疾患、ダウン症候群、レックリングハウゼン病、脳腫瘍、動脈硬化、頭部外傷、放射線治療等があげられている。また、甲状腺機能異常により 2 次的にもやもや病に類似した頭蓋内血管狭窄病変が生じると考えられているが、実際にこれらの病態がもやもや病と本質的に異なるものであるか検討された報告は現在までになく、本研究はもやもや病の診断基準の除外項目となる疾患を併存する頭蓋内内頚動脈狭窄症症例と、もやもや病の症例の遺伝子RNF213の解析を行い、その観点からの相違を見出す事である。本研究は観察研究であり。もやもや病と頭蓋内内頚動脈狭窄症を研究対象者とし、遺伝子解析を行い、比較するコントロール集団として年齢、性別、背景などの情報をマッチさせた内頚動脈狭窄症の無い内頚動脈瘤の患者を対象とする。目標症例数は100例である(もやもや病50例、頭蓋内内頚動脈狭窄症50例)。コントロール群はもやもや病、頭蓋内内頚動脈狭窄症を持たない内頚動脈瘤の患者100例を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の実施に際し、当院倫理委員会に申請を行った。倫理委員会からの許可申請に時間がかかってしまい若干研究の進行が遅れている。現時点ではもやもや病および2次性血管狭窄の症例の蓄積を開始した段階であり、当院及び関連施設において症例へのインフォームドコンセントを行い、少しずつ症例を蓄積している段階である。具体的にはMagnetic resonance angiography (MRA)、 3 次元 CT 血管撮影 (3DCTA)、脳血管撮影で確認された20歳以上の下記疾患で、各研究機関の外来で発見され、同意を取得した、もやもや病症例、頭蓋内内頚動脈狭窄症症例、頭蓋内内頚動脈狭窄症の無い内頚動脈瘤症例である。 またもやもや病、血管障害関連、内分泌関連の学会に出席し同テーマに関する知見を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き対象となる症例の蓄積を当院、及び関連協力施設で行う。研究対象候補者から同意が得られた後に研究対象者の頭蓋内内頚動脈狭窄の具体的な部位、程度、もやもや血管の有無に加え年齢、性別や生活習慣病、免疫不全症などの既往、また喫煙歴、飲酒歴などの生活習慣の背景を群間で比較検討する。主な検査は採血によって得られる遺伝子情報であり、採血は研究対象者から同意が得られた後、研究対象者が日常診療で採血を行うタイミングで行う。
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Causes of Carryover |
倫理委員会での承認申請の遅れや資金の効率的な使用の課題によるものです。具体的には、検体検査の費用が現時点で発生していない事が影響しました。また、研究チーム内で協力機関との調整の困難も要因の一つであった。今後の使用計画では、これらの課題に対処し、効率的かつ効果的に予算を活用することを目指す。具体的には、実験の進行状況を定期的にモニタリングし、予算の適切な配分を行うとともに、試薬の確保などのリスク管理を徹底し、さらに、研究チームや協力機関との連携を強化し、円滑な研究進行を図る。次年度では、今回の経験を生かしてより効率的な予算の使い方を心がけ、研究の進捗を確実にすることを目指す。
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