2022 Fiscal Year Research-status Report
深層生成モデルを応用した強い汎化性能を持ったradiomics解析方法の開発
Project/Area Number |
22K16700
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 慧 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (00852120)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 神経膠腫 / MRI / 深層生成モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は上記のdomain shiftに起因する機械学習装置の性能の低下を深層生成モデルの応用で解決を図ることである。本年度は研究実績として、4回の学会発表を行った。
令和4年度の研究の主たる目的は公開データセットとプライベートのデータセットを相互変換するような画像のstyle変換方法を確立することであった。Cycle generative adversarial network(CycleGAN)を採用しプロトタイプを作成、安定した制度の高い変換が行えるようにアーキテクチャやハイパーパラメータの調整を行なった。加えて上手く変換が行えているのかを判断するために変換の精度の視覚化を試みた。結果として、ハイパーパラメータの調整を的確に行うことで公開データセット、プライベートのデータセット間の変換をある程度安定して行えるようになった。また、視覚化の方法としてはReaNet34の中間表現をt-SNEやUMAPで低次元に圧縮する方法が機能した。この方法で公開データセットとプライベートの画像のstyleの違いの視覚化を行うと明らかなクラスタが作成された。また、CycleGANにてstyle変換を行なったプライベートデータセットのMRI画像は、上記の方法で2次元にて視覚化を行なった場合、公開データセットとプライベートデータセットの中間に位置していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経膠腫の腫瘍特性の予測においてradiomics解析は有用な方法であると考えられているが、社会実装において解決すべき問題が残されている。Domain shiftによる予測精度の低下の問題がその一つである。いくつかの解決方法が研究されているが、モデルではなくデータにアプローチする方法の方がより応用範囲が広い。そして深層生成モデルはデータの独自性を維持しながら、ある程度その分布を揃えることができる。本研究の目的は神経膠腫の腫瘍特性の予測を行う機械学習装置の、domain shiftに起因する性能の低下を深層生成モデルの応用で解決を図ることである。本年度は研究実績として、4回の学会発表を行った。
令和4年度の研究の主たる目的は公開データセットとプライベートのデータセットを相互変換するような画像のstyle変換方法を確立することであった。Cycle generative adversarial network(CycleGAN)を採用しプロトタイプを作成、安定した制度の高い変換が行えるようにアーキテクチャやハイパーパラメータの調整を行なった。続いて、上手く変換が行えているのかを判断するために変換の精度の視覚化を試みた。変換器の作成についてはハイパーパラメータの調整を的確に行うことで公開データセット、プライベートのデータセット間の変換をある程度安定して行えるようになった。また、視覚化の方法としてはReaNet34の中間表現をt-SNEやUMAPで低次元に圧縮する方法が機能した。この方法で公開データセットとプライベートの画像のstyleの違いの視覚化を行うと明らかなクラスタが作成された。また、CycleGANにてstyle変換を行なったプライベートデータセットのMRI画像は、上記の方法で2次元にて視覚化を行なった場合、公開データセットとプライベートデータセットの中間に位置していた。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に研究が進んでいると考えているので、当初の予定通り令和5年度の研究予定を推進する予定である。
1. 公開データセットまたはプライベートデータセットを入力として、悪性度や遺伝子変異の予測装置の作成を行う。2. 作成した予測装置の精度を検証する。この際特に異なるdomainへの精度に焦点を置いて検討を行う。 3. 2で作成した変換器を用いて変換前の画像と変換後の画像で性能が変化するかを検討する。 特に1の予測装置の作成では構造が根本的に異なる複数のタイプのモデルによる検討を行う予定であり、既に幾つのモデルについて作成と検討を開始している。 また、上記の予定に加えて人間と機械学習装置の比較試験も進めていく。初期の実験で興味深い結果が得られたため、より大規模な比較試験を行うための準備を進めている。最終的にはこの人間と機械学習装置の比較試験についても論文化を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度でPCやGPUといった設備投資を進める予定であったが、次年度に回した方がより安価で性能の高いものを購入できる可能性が高かったため。
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