2022 Fiscal Year Research-status Report
ケモカインCCR7/CCR21を用いた半月板の再生医療モデルおよび治療法の確立
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22K16701
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菱村 亮介 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (50844742)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 半月板 / CCR7 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の研究グループはこれまでに半月板損傷後の修復過程において、滑膜由来間葉系幹細胞が中心的役割を果たすことを報告してきたが、半月板損傷の正確な修復メカニズムは未だ不明である。申請者は関節軟骨修復過程において、ケモカインCCR7/CCL21が損傷部に集積し間葉系幹細胞を損傷部に動員することで、関節軟骨の修復過程において 促進的役割を担うことを明らかにしてきた。そこで、関節軟骨修復過程において間葉系幹細胞の動員を促進するケモカインCCR7/CCL21は、半月板損傷後の修復過程においても重要な役割を果たす可能性があると着想するに至った。そこで、本研究の目的はCCR7/CCL21が半月板損傷の修復過程に対して促進的作用を及ぼすことを証明することである。 2022年度は先行研究にならい、マウス膝関節の内側半月板損傷モデルを作製し検討を行った。具体的には、我々の先行研究(Matsuoka et al. Tissue Eng Part C Methods. 2015)より膝関節内の再性能が高いとされる3週齢を用いて、膝関節内側半月板の前角を切除するモデルと、前角を切離するモデルを検討した。術後7週においていずれの外科的半月板再生モデルにおいても、野生型マウス、CCR7ノックアウトマウス共に半月板損傷部は半月板前駆細胞が集積し、治癒起点が働く傾向を示した。今後、試験数を増やし検討を継続していく予定である。また、あわせてマウス半月板より半月板細胞を樹立し、定量的リアルタイムPCRによる解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の検討により、我々が作製したマウス内側半月板切除モデルはWT、CCR7ノックアウトマウスいずれにおいても、その治癒過程を検討可能であることを示した。引き続き検討を継続していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験により、CCR7ノックアウトの表現系の検討を継続し、さらに半月板よりPrimary cellを確立し、定量的リアルタイムPCRによる検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験に想定よりも費用を要さなかったため、来年度に繰越が生じた、来年度はその分動物実験を行う予定であるので、現在のところ研究に遅延はないものと考えている。
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