2022 Fiscal Year Research-status Report
酸化ストレス応答転写因子NRF2に着目した新規Exercise pillの開発
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22K16703
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野木 孝嘉 東北大学, 大学病院, 特任助手 (70913838)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NRF2 / サルコペニア / 持久力 / 運動機能向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
私はこれまでの研究で、抗酸化ストレス応答において中心的な役割を果たすNRF2を骨格筋特異的に活性化した遺伝子改変マウスにおいて運動機能が向上することを発見した(Onoki T. et al. Redox Biol. 2021)。その中でNRF2の骨格筋における活性化が持久力の向上に働くこと、骨格筋における代謝や筋線維タイプが速筋から遅筋に変化することを明かとした。 しかし、その成果は若年マウスを用いたものであり、高齢化社会が進行する本邦において現在広く問題となっているフレイル・サルコペニアといった加齢に伴う運動器や運動機能の障害の抑制に対して有効であるかは不明であった。そこでサルコペニアによる運動機能障害が始まると考えられる中年から老年マウスにおいてNRF2誘導剤を用いて、運動機能向上効果が得られるのかを明かとすること、そのメカニズムの解明を目標とした。 まずNRF2誘導剤を用いた時と同様に、生まれた時から全身でNRF2が活性化している遺伝子改変マウスを用いて12ヶ月齢の中年マウスにおいて運動機能、特に持久力が向上していることを確認した。 そこでNRF2活性化剤の投与による運動機能向上が、中年からの投与でも得られるかの確認から行うこととした。NRF2活性化剤であるCDDO-Imの投与を約2週間行い運動機能計測を行ったが、運動機能に変化はなかった。 今後は投与方法、投与量、投与期間などさまざまな条件を確認し、若年マウスにおいてみられた運動機能向上がどういった条件下で生じ得るのか検証する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の実験で予定されていたプロトコールで期待された結果が得られなかった。 そこで薬剤の投与法、投与量、投与方法などさまざまな条件下に運動機能の検証が必要となり、条件設定のための予備実験に時間がかかることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
早急に条件設定の見直しを行い、運動機能の向上が確認でき次第、その条件下で得られた各種サンプルを用いてそのメカニズムの解明に努める方針である。 検証方法はすでにある程度予定されており、遺伝子発現、タンパク質発現などでも注目している遺伝子があることからそれらの遺伝子から確認作業を進める方針である。研究費の予算の関係からRNA-seqなどの網羅的な探索は不可能であり、文献検索などを通して、メカニズムの鍵となるであろう遺伝子発現の変化や、それに関連したタンパク質発現の確認を続けていく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の実験の進捗がうまく進まなかったため使用金額が少なかった。 今年度さらに研究を進めていく方針である。
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