2023 Fiscal Year Research-status Report
Innovative Treatment of Fractures with Muse Cell Administration
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22K16705
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡邉 翔太郎 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (40889408)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨形成 / 軟骨形成 / Muse細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症複合免疫不全症マウスの大腿骨骨折モデルの検証をまず行った。大腿骨関節面から逆行性の髄内釘固定を行うモデルの再現性が高かったが、この方法では細胞投与群とコントロール群のどちらにおいてもCTでの骨癒合が得られた。偽関節モデルが作成できかつある程度の固定性を有すモデルの模索に時間を要し研究の進行に支障が生じていたため、Muse細胞の骨損傷の修復、骨への分化を評価できるモデルとして、簡易的に作成可能である骨軟骨損傷モデルを使用することとした。大腿骨関節面の滑車部に骨軟骨損傷を作成し細胞投与を行った。細胞攪拌液を損傷部位に滴下し10分静置し閉層するも損傷部位へ止まっている量が少ないため、細胞を細胞塊として留置する方法とした。 間葉系幹細胞へ発光・蛍光遺伝子を導入し培養後にフローサイトメトリーにより導入遺伝陽性のMuse細胞を抽出した。モデルはMuse細胞群とno-Muse細胞群とコントロール群に分け検証を行った。まず4週モデルで、細胞の発光追跡装置を用いて4週間に6回の評価を行った。Muse, no-Muse群全例での損傷膝での細胞発光が確認できた。次に、8週モデルを作成し、8週での発光確認と屠殺後の組織標本評価による組織修復評価と蛍光発現細胞の評価、CTによる骨形成評価を行った。8週では膝での発光は少数のみで多くは消失していた。さらに発光を認めたものについて蛍光発現を調査したが、蛍光細胞の滑膜への取り込みが確認でき、骨細胞や軟骨細胞への分化の確認はできなかった。骨形成は3群とも良好で明らかな差は見られなかった。軟骨はコントロール群と比較し細胞投与群で修復が良好であったが、Muse群とno-Muse群では差がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルの検証がうまくいかず、修正を余儀なくされた。 また、研究途中に間葉系幹細胞からのMuse細胞単離に難渋した時期があった。原因解明のためにSSEA3+ cellである癌細胞由来細胞をポジティブコントロールとした検証等を行わなければならず計画に支障が生じた。このように投与細胞の確保に時間がかかったことでも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、モデルの変更を行い細胞投与実験を実施することができた。 研究の結果は概ね得られたため、次年度はその結果をまとめ報告していく。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れが生じたため。次年度も研究継続し、主に成果報告を行っていく予定である。
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