2022 Fiscal Year Research-status Report
骨肉腫に対する血清miRNA146a-5pの臨床応用と新規治療への試み
Project/Area Number |
22K16712
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒木 麗博 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10800625)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / マイクロRNA / 予後 / 診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性骨肉腫と診断後に化学療法及び手術療法による標準治療を受けた27人の患者の治療前の血清中miRNAのうち、過去の研究(Osteosarcoma-derived small extracellular vesicles enhance tumor metastasis and suppress osteoclastogenesis by miR-146a-5p. Araki Y, et al. Front Oncol. 2021 May 4; 11: 667109.)で、低悪性度の骨肉腫細胞と比較して高悪性度の骨肉腫細胞から6倍以上多く分泌されている計13種類のmiRNAについて、患者血清中の含有量の違いによる予後や診断マーカーとしての有用性を後ろ向き研究として検証した。全生存率はmiR-146a-5p、miR-1260a、miR-487b-3p、無転移生存率はmiR-1260a、miR-487b-3p、miR-1260b、miR-4758-3p、無病生存率はmiR-1260a、miR-1260b、miR-4758-3pにおいて、血清含有率が多いほど予後が有意に良好という結果が得られた。また診断時に遠隔転移のない、治療前の原発性骨肉腫患者30人の血清中miRNAの含有量について、他の悪性度の骨腫瘍患者及び健常人の血清中miRNA含有量と比較したところ、miR-1261において、健常人だけでなく、良性の骨軟骨腫及び中間悪性の骨巨細胞腫と比較して有意に含有量が多いという結果が得られた。これらの結果から、miR-146a-5p、miR-1260a、miR-487b-3p、miR-1260b、miR-4758-3pが予後マーカーとして有用な可能性が示唆され、miR-1261が診断マーカーとして有用な可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者血清を用いた後ろ向き研究は終了し、有意な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
患者データから得られた有用なマーカーとなりうるmiRNAの中から治療に結びつけることのできそうな分子の探索を基礎研究を通じて行っていく。
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Causes of Carryover |
初年度は後ろ向き研究が主であったため、物品費が予想よりも少なくて済んだ。またCOVID-19の流行もあり、学術集会にはオンラインでの参加が多かったため旅費がかからなかった。今後は、初年度の結果を踏まえて、同定したマーカーから治療につながる分子の特定のための基礎研究を行っていく予定である。またCOVID-19の状況をみながら研究成果を学術集会において現地での参加・発表も検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] A validation study for the utility of serum microRNA as a diagnostic and prognostic marker in patients with osteosarcoma2023
Author(s)
Yoshihiro Araki, Naofumi Asano, Norio Yamamoto, Katsuhiro Hayashi, Akihiko Takeuchi, Shinji Miwa, Kentaro Igarashi, Takashi Higuchi, Kensaku Abe, Yuta Taniguchi, Hirotaka Yonezawa, Sei Morinaga, Yohei Asano, Takeshi Yoshida, Rikinari Hanayama, Juntaro Matsuzaki, Takahiro Ochiya, Akira Kawai, Hiroyuki Tsuchiya
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Journal Title
Oncology Letters
Volume: 25(6); 222
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research