2022 Fiscal Year Research-status Report
中枢感作、疼痛に関与するCD163陽性サブッセトの同定とその機能解析
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22K16719
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
福島 健介 北里大学, 医学部, 講師 (30383615)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CD163 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
形性関節症(OA)における滑膜マクロファージ(MΦ)は疼痛に関与すると報告されている。しかし、疼痛に関与するMɸのフェノタイプは明らかではない。CD163+MΦはOA滑膜中で増加し、炎症に関与すると報告されている。しかし、疼痛との関連は明らかでない。本研究では、股OAにおけるCD163+MΦと痛みの関連を調査した。さらに、CD163+MΦやそのサブセットが発現する炎症性サイトカインの特徴を調査した。股OAの診断で人工関節置換術を行った98例から滑膜組織を採取した。72例はReal time PCRでCD163の発現を調査し、Visual Analog Scale (VAS)で評価された術前安静時痛と活動時痛との相関を調査した。10例は磁器ビーズ法で細胞分離を行い、CD163+/-分画における炎症性サイトカインの発現を比較検討した。8例はフローサイトメトリーでCD163+MΦにおけるサブセット解析を行った。8例はセルソーティングで各サブセットが発現する炎症性サイトカインを調査した。炎症性サイトカインはTNFA, IL1B, IL5, IL6, IL17を使用した。CD163と安静時痛VASの間に正の相関を認めた。活動時痛VASとは相関がなかった。CD163+分画におけるTNFA, IL1Bの発現は CD163-分画よりも有意に高かった。CD163+細胞には異なるサブセットである CD163+CD14lowとCD163+ CD14highが存在していた。CD163+ CD14low細胞における TNFA の発現は有意に高かった。これまでの報告から TNF-α は OA における疼痛のプロセスに関与するとされる。本研究の結果から、TNF-αを高発現している CD163+CD14low細胞が、痛みの病態に関与している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD163の発現と中枢感作、疼痛との関連性が示された。従って、おおむね順調に進展しているものと考えれられる。
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Strategy for Future Research Activity |
オミクス解析を駆使してCD163 MΦの表現型、機能を明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Correlation between CD163 expression and resting pain in patients with hip osteoarthritis: Possible contribution of CD163+ monocytes/macrophages to pain pathogenesis2022
Author(s)
Ohashi Y, Uchida K, Fukushima K, Satoh M, Koyama T, Tsuchiya M, Saito H, Uchiyama K, Takahira N, Inoue G, Takaso M
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Journal Title
J Orthop Res
Volume: 40
Pages: 1365-1374
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Increased Synovial CD14 mRNA Expression and Proportion of CD14high Subsets in Early-Stage Hip Osteoarthritis: Propensity Matched Score Analysis2022
Author(s)
Ohashi Y, Uchida K, Fukushima K, Satoh M, Koyama T, Tsuchiya M, Saito H, Uchiyama K, Takahira N, Inoue G, Takaso M
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Journal Title
Int J Mol Sci
Volume: 23
Pages: 13622
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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