2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the neural circuit of neuroendocrine response due to acute and chronic pain based on synaptic plasticity
Project/Area Number |
22K16727
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤谷 晃亮 産業医科大学, 医学部, 助教 (70804714)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | オキシトシン / 慢性疼痛 / 線維筋痛症 / トランスジェニックラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は視床下部アルギニン・バソプレッシン(vasopressin: AVP)を緑色蛍光タンパク(eGFP)で標識したトランスジェニックラット(AVP-eGFP Tgラット)を用いてアジュバント関節炎(AA)モデルを作成し、ホールセルパッチクランプ法を行い電気生理学的検討を行う予定であった。しかし、所有するホールセルパッチクランプ用の蛍光顕微鏡では、AVP-eGFPの緑色蛍光が確認出来ずAVPニューロンを同定することができなかった。しかし、赤色蛍光タンパク1(mRFP1)の赤色蛍光は確認できた。そのため、同じく疼痛受容に関与するとされる下垂体後葉ホルモンのオキシトシン(oxytocin: OXT)をmRPF1で標識したOXT-mRFP1 Tgラットを用いることした。また、本研究代表者が2020年にOXT-mRFP1 TgラットのAAモデルにおける電気学的検討をすでに報告しているため、慢性疼痛モデルをAAモデルから難治性慢性疼痛と知られる線維筋痛症(FM)モデルへ変更することとした。 雄性8週齢のOXT-mRFP1 Tgラットを用いて、レセルピンを皮下投与しFMモデルを作成し、ホールセルパッチクランプ法を用いてOXTニューロンの電気生理学的検討を行なった。OXTニューロンの静止膜電位と活動電位発火パターンにおいて両群間で有意差を認めなかった。本結果だけではOXTニューロンの性質を評価することは出来ず、今後はOXTニューロンへのシナプス伝達を評価して、今年度の結果と合わせて解析を行う必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験ではホールセルパッチクランプを行うための蛍光顕微鏡で、AVPのeGFPの蛍光が確認出来ていた。しかし、本実験でAVP-eGFP Tgラットの蛍光が確認出来なくなった理由は不明である。AVP-eGFP Tgラットの緑色蛍光は他の蛍光顕微鏡では明瞭に視認することが出来たため、顕微鏡やモニターなどの機材側の問題だと考えられ、機材の変更も行ったがAVP-eGFP Tgラットの緑色蛍光が同顕微鏡で確認されることはなかった。その原因究明作業に多くの時間を要したため、進行状況が遅れる結果となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は引き続き電気生理学的検討を続けていく予定である。興奮性/抑制性シナプス後電流を検討しOXTニューロン活動性変化の要因を解明する。本研究の成果は、国内学会および国際学会に発表し、国際専門誌に英文論文として発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
実験進行が遅れたため購入するはずの試薬や解析ソフトが未購入であり、Covid-19感染症の流行により学会出張を行えず旅費が不要であったため残額が生じた。次年度には今年度不可能であった、学会出張旅費や試薬、解析ソフトの購入に使用する予定である。
|