2022 Fiscal Year Research-status Report
メタボロームコホート研究による変形性股関節症の発症・進行因子の探索
Project/Area Number |
22K16730
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大石 和生 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60724846)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 変形性股関節症 / メタボロームコホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、寛骨臼形成不全を基盤とする変形性股関節症(股OA)の疾患プロセスの根底にある代謝物や代謝調節機構を明らかにすること、発症や進行に関わるバイオマーカーを明らかにし、早期介入に向けた病態を明らかにすることである。本年度は、変形性股関節症(股OA)の発症や進行に関連する因子の一つであるfemoroacetabular impingement(FAI)について、過去の地域住民健康プロジェクト健診のデータを用いて解析を行った。 過去の疫学研究からは、股OAの発生の危険因子として職業やスポーツ、肥満、寛骨臼形成不全が報告されている。大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の股OAの発生に関する影響に関しては、いまだ明らかにされていない。一般住民健診においてFAIに関する画像所見や理学所見の股OA発生への関連について縦断的に評価することとした。 X線画像から変形性股関節症の有無やFAIに特徴的な所見、本邦に多い寛骨臼形成不全の特徴的な所見に関して5年間の縦断評価を行った。2014年のX線評価では、pincer typeを示唆する所見を33例(12.4%)、COSを24例(9%)、PWSを59例(22.2%)、PGDを6例(2.2%)に認めた。5年後の股OA発生は26例(9.8%)であった。股OA発生に関する2群間の比較では、OA発生群で有意に年齢が低く(p=0.006)、PWSが多かった(p<0.001)。ロジスティック回帰分析では、股OA発生にPWSが有意に関連していた(p=0.002, B=1.44,)。股OAの発症に関連したのは年齢、後方インピンジメントを示すPosterior wall signであった。2023年日本整形外科学会基礎学術集会に発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の画像評価が進捗しておらず、メタボローム解析を併せた解析が行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年にも一般住民健診において縦断評価を行う予定である。2022年一般住民健診でのデータ解析を進め、学会発表、論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画に遅延が発生したため。令和五年度は、令和4年度に行う予定であった画像評価やメタボローム解析を行う予定である。
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