2023 Fiscal Year Research-status Report
機能強化した脂肪由来幹細胞を用いた新たな骨折治癒促進治療の開発
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22K16737
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野村 一世 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10622897)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メチルグリオキサール / GLO1 / ADSCs |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はメチルグリオキサール(MG)反応性蛍光センサープローブによるin vitroでの糖化ストレス反応動態を評価した。脂肪由来幹細胞での評価の前にsiRNAの導入の 評価およびコントロールとして扱いやすいマウス頭蓋冠由来骨芽細胞(MC3T3)にてMG消去酵素であるGLO1 siRNAをトランスフェクションすることによりGlo1をノックダウンし、MG産生能の増減を評価した。si RNAの導入には市販の試薬を用いたリポフェクション法を用い、RT-PCRにてGlo1の発現が有意に抑制されており、その導入の確認に成功した。さらにGlo1 siRNAの導入によりMGは骨芽細胞内で増加することを確認した。フローサイトメトリーによる生存細胞数の評価もおこなったが、現時点ではノックダウンによる細胞数の減少は認められなかった。ストレプトゾトシンをマウスに投与し長期経過した糖尿病骨粗鬆症モデルマウスの作成を行ない、その脛骨のPCRも施行しGlo1の発現を評価したが、コントロールマウスと比較し有意な増減は確認できなかった。本年度は骨粗鬆症また、糖尿病マウスの作成および、そこからの脂肪組織を採取し、ADSCsの作成を行ない、ADSCsへのGlo1のトランスフェクションの施行およびMG産生の評価を進行している。ラットでの報告がなされている作成法を使用しているが、ストレプトゾトシン投与による糖尿病マウスでは脂肪細胞が非常にすくなく、ADSCs作成が難しく、高脂質食による糖尿病モデルマウスの作成に変更し、ADSCs作成に変更し、MG産生の評価やGlo1のトランスフェクションの効果を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SiRNAの導入については安定して施行できるようになったが、ADSCsの作成について特に糖尿病マウスにおいて進行が遅れている。糖尿病マウスの作成方法を変更することで、invivoでの検討を今後行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病モデルマウスでの脂肪由来幹細胞(ADSCs)の作成を進めつつ、Glo1 siRNAを導入し機能評価を行う。またマウスの骨孔モデルを作成し、MG消去作用を持つ薬品をスクリーニングし検出し機能を強化したADSCsを投与して、骨修復能の改善が得られるか検討する方針である。
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Causes of Carryover |
細胞培養については順調に研究が進行したため、余剰分で計上していた試薬が不要となった。また、ADSCs作成がやや遅れており、ADSCsを利用したin vivoでの検討が昨年度施行できず、次年度に繰り越すためマウスの購入費や薬剤の購入費が不要となったため。実績につき発表および情報収集をおこなうための海外学会への旅費ならびに実験用試薬の購入、実験施設の使用寮、破損した機器(パソコン等)の購入にあてる予定である。
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