2022 Fiscal Year Research-status Report
新規ヒアルロニダーゼKIAA1199活性阻害を標的とした骨肉腫に対する薬剤開発
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22K16740
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小池 宏 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80846080)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | KIAA1199 / 骨肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨肉腫は10-20歳代に好発する悪性骨腫瘍で初診時遠隔転移を有する症例は予後不良である。骨肉腫の治療は手術および術前後の化学療法が標準的だが、心機能障害などの合併症があり、合併症の少ない新規治療法の開発が急務である。KIAA1199は強いヒアルロン酸 (HA) 分解活性および、骨肉腫を含む様々な癌での高発現、予後との関連が報告されている。我々はKIAA1199を抑制する薬剤を同定した。本研究では、骨肉腫に対するin vitro, in vivo におけるDrug Xの治療効果を検討し、臨床応用に向けた基盤データを得るとともに、HAを標的とした新しい癌治療のシステム、その基盤を生み出すことを目的とした。骨肉腫細胞株として、当研究室でも使用実績があるHOS、Saos-2、LM-8 を用いる。骨肉腫細胞株に対してDrug Xを投与し、in vitro で、細胞増殖、細胞の移動、アポトーシス活性といった腫瘍原性を評価する。また、骨肉腫細胞株は皮下に移植することで増大、肺転移を起こすことを当研究室で確認しているが、この腫瘍を移植したマウスにDrug Xを投与し、移植腫瘍、肺転移の抑制効果を検証することを予定した。研究実績として、令和4年度は、各種学会発表、情報収集、骨肉腫細胞株の収集、抗体など試薬の準備、具体的な研究計画の立案を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フリーザーの故障による細胞株の死滅により研究計画に遅れが生じた。また、COVID-19パンデミックによる、ピペットなど消耗品やPCR試薬の欠品や納入遅延も問題となり、やや遅れていると判断した。また研究代表者は、診療従事者として、COVID対策に伴う臨床業務負担の増加に対応している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株の安定的な培養、in vitroにおいては、KIAA1199発現確認、およびDrugX投与による細胞の腫瘍原性の抑制(増殖能、移動能など)効果をみることを予定している。 その後、マウスの作成、DrugX投与による抗腫瘍効果を検討することを予定している。 研究環境として、COVID-19による技官および研究助手の勤務制限、テレワーク解除を期待する。
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Causes of Carryover |
必要な抗体などの試薬、細胞株の購入、実験機器の購入のため。 使用計画: 実験に必要な試薬、機器、抗体のために研究費を使用する。今後、研究結果の発表に関連する学会および論文校正費用、また研究に関連する書籍の購入費用に研究費を使用する。
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Research Products
(21 results)