2022 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症における分子シャペロンの機能解析および治療への応用
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22K16744
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久永 哲 熊本大学, 病院, 特任助教 (30827308)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 小胞体ストレス / 軟骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工膝関節置換術を施行する内側型変形性膝関節症患者の内側および外側の骨軟骨組織を術中に採取し、RNA抽出した後にcDNAを作成しRT-PCRを施行した。すると内側の軟骨細胞では、Grp78, Grp94, Hsp47, Crt, Cnxといった分子シャペロン関連の遺伝子の増加を認め、また同時にComp, Col1, Col2, Col10といった細胞外基質の遺伝子発現の増加を認めた。RNA-seqで解析を行うことを予定していた。しかしながらOAサンプルでの遺伝子発現が患者間でのばらつきが多いため、RNA-seqでの解析を変更し、single cell RNA-seqに手法を切り替えたところ、正常軟骨からOA軟骨に進展していく過程で、小胞体ストレス応答関連遺伝子が上昇している細胞群が認められた。またこれらはクラスター分類にて軟骨代謝が活性化されている軟骨細胞群であることが判明した。これらの結果より正常軟骨からOAが進行する過程で、小胞体ストレスによる軟骨代謝への負荷が増加していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日常診療が多忙になり、また実験の補助をする大学院生の都合がつかず、やや実験計画よりおくれている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画書にあるように軟骨細胞へのシャペロンの投与により軟骨代謝への影響がどのように認められるかを解析することとした。 また今後の課題としてはヒトOA関節軟骨での転写因子の発現は、サンプル間での誤差が多かったため、single cell RNA-seqでの解析を中心に行うこととした。
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Causes of Carryover |
研究を当研究室がもともと保持している消耗品や試薬を用いて行ったため、支出が少なかったことと、臨床業務が多忙で予定通りの研究スケジュールが進まなかったため。
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