2022 Fiscal Year Research-status Report
手関節ダーツスローモーション可動域の新たな測定法開発と信頼性・正確性の検証
Project/Area Number |
22K16754
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
光金 正官 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 准教授 (20613293)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 再現性 / ダーツスローモーション / 可動域 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活動作の多くで、手関節の運動は橈背屈から掌尺屈方向の面で行われ、この面に沿った手関節の運動はダーツスローモーションと呼ばれている。この可動域の値は有用性の高いアウトカムとして特に整形外科やリハビリテーション領域で広く臨床利用されてゆくことが期待されている。しかし標準化された測定方法は未だ提示されておらず、この点が利用普及の阻害要因となっている。臨床使用に耐えうるだけの信頼性と簡便性を併せ持つ測定方法が提示されていないことが標準化を妨げている大きな理由である。 本研究の目的は、我々が提案するダーツスローモーション可動域測定法の再現性と正確性を検証することであり、当該年度の実施計画は、「①2022年4月~2021年8月: DTM可動域測定用器具の試作を行い、研究実施に必要な倫理審査手続きを行う。②2022年9月~2023年3月: 実験によるデータの蓄積を行う。」であった。現時点において、測定器具の試作は完了し、測定の再現性に関する予備実験も終えている。正確性検証のために使用予定としていた研究機器の入手が、想定とは異なり、困難な状況にあることから(「現在までの進捗状況」の理由にて後述)、これについては代替えの方法を検討中である。そのため、研究実施施設における本研究に係る倫理審査申請とその後の実験データ蓄積は保留の状態にある。 試作した測定器具による予備実験は健常例(N=16)を対象に行った。検者2名によるテストリテスト法で検者間再現性を検証した。結果、検者間再現性の指標である級内相関係数は0.8以上の値を示し、当初の仮説に従い、先行研究と比較しても格段に良好な再現性があることが分かった。我々のコンセプトに基づいて試作された可動域測定用器具は、このまま本研究での実験で使用可能と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れの理由は次の2点である。 その1:上述したように、当初使用予定としていた研究機器が使用できない状況にある。具体的には、年度途中での自身の職場異動により機材の一部が使用できなくなり、交付された科研費内で機器すべての組み上げが難しい状況となった。 その2:職場異動により当該研究以外でのエフォートが一時的に増加した。
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Strategy for Future Research Activity |
正確性検証のために取得するデータの収集方法を再検討する。研究機器として当初使用予定としていた磁気式の三次元動作分析装置を光学式のものに変更する予定である。本研究での適用性は磁気式のそれよりも劣ると考えられるが、光学式でも可能であることは過去の研究報告から保証されている。また、光学式三次元動作分析装置は現在の所属施設に既に設置されているものがあり、具体的なデータ収集方法が確定すれば、すぐに実施可能な環境にある。新たな実験方法が決まりしだい、ただちに所属施設での倫理審査申請を行う予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中での自身の職場異動により研究用機器の設定に必要な機材の一部が使用できなくなり、交付された科研費内で機器すべての組み上げが難しい状況となった。そのため今年度の助成金で購入予定としていた研究機材の購入を中止したため、当該助成金が発生した。現在別の方法でのデータ収集を予定している。当該助成金及び翌年度分として請求した助成金は今後それに係る機材購入などに使用する計画である。
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