2022 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of liquid factor-based regeneration mechanism in intervertebral disc regenerative therapy using bone marrow aspirate concentrate
Project/Area Number |
22K16757
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
筌場 大介 北海道大学, 大学病院, 医員 (80907981)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 椎間板ヘルニア / 再生医療 / 骨髄濃縮液 / 高純度硬化性アルギン酸ゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
高純度硬化性アルギン酸ゲルと骨髄濃縮液(Bone marrow apirate concentrate; BMAC)を併用した椎間板再生治療法の開発を目指している。組織再生メカニズムの解明に先行して、ビーグル犬の椎間板を対象とした性能評価試験を実施した。L1/2~L4/5椎間板を無処置コントロール、髄核摘出のみ、ゲル単独移植、ゲル+BMAC移植の4群に分けた。全身麻酔下に骨盤骨より骨髄液を採取し、遠心分離操作にてBMACを作成。さらにアルギン酸ゾルとBMACを混合し、移植マテリアルを作成した。該当椎間板に対し摘出術を行ない、摘出部にゲルまたはゲルとBMACを移植。移植24週後に安楽死させ、脊椎検体を摘出。MRI評価と組織学評価(H&E、Safranin-O)、免疫組織学的評価(Type I & II collagen)による変性定量評価を行った。 その結果、MRI 評価では髄核摘出群およびゲル群と比較してBMAC併用群は有意に高信号が保持されており、椎間板内での水分が保持されていることが示された。また組織学的評価において、BMAC併用群では中心部の髄核および周囲の線維輪構造は無処置群に次いで保たれており、変性進行が有意に抑制されていることが示された。また免疫組織学的評価では、椎間板内の主な細胞外基質となるType II collagenと、髄核の変性進行に伴い増加するType I collagenの産生を評価する目的で各々の陽性細胞率を算出した。その結果、BMAC併用群においては、髄核摘出群およびゲル群と比較してType II collagen陽性細胞率は有意に高値であり、一方でType I collagen陽性細胞率は有意に低値であった。以上の結果から、ゲルとBMACの併用による変性進行の抑制と椎間板組織修復および再生効果が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高純度硬化性アルギン酸ゲルとBMACを併用した椎間板再生治療法の実現までのロードマップとして、「①椎間板組織再生効果の証明」、「②力学的安定性の証明」、「③再生機序(細胞および液性因子)の解明」、「④大動物を用いた性能および安全性評価」、「⑤ヒトを対象とした治験」を考えている。以前の研究においては、家兎モデルを用いて組織再生効果と力学的安定性を既に証明している(論文発表済み)。本研究における2022年度実施分はイヌを対象とした大動物モデルによる性能評価試験であり、それらにおける組織再生効果および安全性が証明された。
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Strategy for Future Research Activity |
本試験にて得られた結果から、大動物椎間板摘出モデルに対するBMACとゲルの併用が組織再生を促進することが示唆された。次段階としては「組織再生機序の解明」に着手する。BMACは、間葉系幹細胞を含めた単核細胞群と成長因子を含めた液性因子を濃縮した再生マテリアルであるが、今後は特に成長因子に着目した再生メカニズムの解明を目指す。 また、今回の橋渡し研究の成果が示されたことで、臨床応用を踏まえた探索的治験に今後移行する予定である。
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Research Products
(1 results)