2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism of antitumor effect of sclerostin against osteosarcoma.
Project/Area Number |
22K16764
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
出田 宏和 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (00838534)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / スクレロスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
骨肉腫に対する薬物療法は他の癌腫と比べて新規治療法の開発が遅れている。そのため化学療法に抵抗性を示すような、進行例や早期再発例などに対してはいまだ予後不良な疾患である。Wnt経路の阻害因子であるスクレロスチンは骨組織特性が高く、骨芽細胞のWnt経路を阻害することで骨形成を抑制する。これまでに我々はスクレロスチンが骨肉腫に対して抗腫瘍効果を持つことを明らかにした。骨組織特異性が高いという性質を逆手に取り、骨肉腫に対する創薬研究にブレークスルーを起こし、副作用の少ない新規治療薬の開発を目指している。本研究では骨肉腫に対するスクレロスチンの抗腫瘍効果のメカニズムを明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ras-Raf-MEK1/2-ERK1/2-c-Jun、PI3K-Akt-mTORなど、がん細胞の増殖を促進する重要なシグナル伝達経路の変化を解析し、変化を認めたシグナル伝達経路について、それぞれの経路の各段階に対する阻害剤やノックダウン、あるいは刺激因子を用いてスクレロスチンの作用を抑制または促進するかどうかの検証を行うことで、スクレロスチンの示す抗腫瘍効果のKeyとなる伝達経路を特定することを予定していたが、スクレロスチンでの再現性に問題があり、細胞実験の条件設定に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
・異なる容量のSclで処理された骨肉腫細胞株で以下のアッセイを行う。細胞増殖曲線を作成し、細胞増殖に対する濃度依存性の有無を評価する。また、フローサイトメトリーで細胞周期の進行に対する細胞増殖抑制効果の有無を評価する。 ・マウス皮下に骨肉腫細胞株を移植し、骨肉腫モデルマウスを作製する。
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Causes of Carryover |
予定していたシグナル伝達経路解析が未実施だったため。2年目に施行する予定。
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