2023 Fiscal Year Research-status Report
Drug repositionを用いたFSHDの新規治療の開発
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22K16765
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂口 健史 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00896053)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
・ドキシサイクリン誘導型のDUX4発現細胞株, iHu5/KD3-DUX4-GFP, iC2C12-DUX4-GFPの樹立 筋分化する筋芽細胞株であるヒト由来Hu5/KD3細胞およびマウス由来C2C12にドキシサイクリン誘導型のDUX4発現ベクターを導入し、薬剤耐性マーカーによる選択圧をかけることで定常発現株(iHu5/KD3-DUX4-GFP, iC2C12-DUX4-GFP)を樹立した。DUX4はGFPとのfusion proteinとし、定常発現株におけるDUX4の発現を蛍光顕微鏡下におけるGFP発現として確認しようと試みたがなんらかの原因により確認できなかった。蛍光タンパクの発現が確認できなかった原因の探索に長い時間を掛けたが現在も解決されていない。RT-PCRによるDUX4のmRNAの発現に関してはRT-PCRのprimer作成、その確認に時間を要したが、DUX4発現量の亢進を確認することができた。また、DUX4-GFPがDUX4と同様に細胞毒性を誘導するかに関する確認のためドキシサイクリンを濃度依存的に添加し、MTS assayによる生細胞数測定で確認する予定であるが現時点ではそのステップまで至っていない。最適なドキシサイクリンの濃度と実験のTime courseもMTS assayが行えていないため次の段階であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
いくつかの実験が進行せず、予定から大幅に遅れている。 前年度同様に定常発現株におけるDUX4の発現を蛍光顕微鏡下におけるGFP発現として確認しようと試みているが、なんらかの原因により確認できない状態が継続している。蛍光タンパクの発現が確認できなかった原因の探索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
・iHu5/KD3-DUX4-GFPを用いたPrimary drug screening ドキシサイクリンでiHu5/KD3-DUX4-GFPの細胞死を誘導する条件下において、その細胞死を抑制する効果をもつFDA既認可薬のスクリーニングを行う。具体的にはPrestwick社ライブラリーの1182の既認可薬をドキシサイクリンと同時に添加し、MTS assayによって生細胞数を測定する。この時DUX4-GFPの発現量を確認しながら実験を進めることにより、ドキシサイクリンの効果を抑制する薬剤を対象から外す工夫も行う。 ・iC2C12-DUX4-GFPを用いた候補薬剤の絞り込み iHu5/KD3-DUX4-GFPの実験で候補となった数種類の薬剤の細胞死、細胞増殖抑制への効果を、筋芽細胞から筋管細胞に分化することができるiC2C12-DUX4-GFPを用いて確認する。 MTS assayに加え、アポトーシス細胞死に対する効果をBrdU assayで確認する。筋細胞分化に対する効果は分化誘導培地での筋管細胞に分化後に筋管形成や分化マーカー(Myosin heavy chain1など)の発現量などを顕微鏡観察やWestern blotting法で評価する。最終的な候補薬を選定し次のin vivoの実験に用いる。 ・マウスを用いたin vivo実験 FSHD病態モデルとしては過去に報告されているTIC-DUX4マウスを用いる。TIC-DUX4 マウスはTamoxifen投与によってDUX4の発現が誘導され、筋量が減少することが確認されている。先に候補となった薬剤の投与群、非投与群で筋力・筋量の解析を行う。評価項目は体重、筋重量、CTでの筋の断面積、筋繊維の組織学的形態などに加え、握力テスト、Rota Rodテスト、cat walkをもちいた歩行解析も行い運動機能評価も行う。
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Causes of Carryover |
いくつかの実験において確認に時間を要し、次年度に持ち越しとなった。 次年度は既認可薬のスクリーニングを行い、候補薬の絞り込み、in vivo実験へと進める。それに必要なマウス、試薬等を助成金で購入する。
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